弦楽四重奏が暖色のホールで譜面台を囲み、視線を交わしながら演奏する演奏会の様子

室内楽・ソロ・リサイタルの演奏会の撮影 ― 表情も手元も、その対話まで残す

自分のリサイタルや、仲間との室内楽・アンサンブルの演奏会。せっかくの本番を、その場かぎりで終わらせず、映像と音でしっかり残したい。そう考える演奏家の方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、少人数の演奏会にこそ、収録で残す大きな価値があります。客席からは見えない指先や表情、奏者どうしの息づかいまで映せるうえ、一音一音をホールの響きごときれいに録れるからです。

この記事では、ソロと室内楽の撮りどころ、カメラの台数の考え方、小編成ならではの録音のコツ、映像をほかにも使うときの著作権まで、順に見ていきます。お話しするのは、演奏会の収録を専門にしているパブットです。リサイタルや室内楽の本番を、撮影・録音・写真で数多く記録してきました。

この記事の要点

  • 少人数の演奏会では、客席からは見えない指先や弓づかい、表情まで映せることが、収録の大きな価値です。
  • ソロは「全身・表情・手元」を、室内楽は「全体・各奏者・掛け合い」を、複数のカメラで撮り分けます。
  • 小編成は一音一音が際立つので、録音で仕上がりが大きく変わります。録音担当がつく「高音質録音」(別料金のオプション)を付けると、ホールの響きごときれいに残せます。
  • 撮影と録音を一つの窓口にまとめると、音と映像のズレや、頼む先がばらける心配がありません。
  • お渡しした映像は、ホームページやYouTubeなどに載せたり、プロフィールに使ったりできます。自分たちの演奏なら、出演者みんなが同意していれば、演奏そのものは問題になりません。気をつけるのは曲の著作権で、その手続きはお客様にお願いしています。古いクラシックは、手続きが要らないことも多いです。
  • 費用は、映像なら十数万円台から数十万円台、写真や録音だけなら数万円台からで、頼む内容や台数によって変わります。自動見積もりで目安を確かめられます。

1. 室内楽・ソロ・リサイタルの収録とは

室内楽・ソロ・リサイタルの収録とは、本番の演奏を、撮影・録音・写真でまるごと記録することです。多くは、ピアノや弦・管楽器の独奏会(リサイタル)や、二重奏(デュオ)・三重奏(トリオ)・弦楽四重奏などの室内楽の演奏会を指します。撮った映像は、ディスクにする、データで受け取る、配信するなど、目的に合わせて形にできます。

この記事では、演奏家ご本人やグループが開く本格的な演奏会の収録を中心にお話しします。教室や先生が開く生徒の発表会と、歌が主役の声楽のリサイタルは、撮り方や録り方で気をつける点が少し違うため、それぞれ別の記事でご案内しています。

生徒の発表会の撮り方は、「ピアノ発表会・音楽教室の発表会の撮影 ― 写真と動画で、その日のがんばりを残す」をご覧ください。声楽のリサイタルについては、合唱の記事「合唱・コーラスの演奏会の撮影 ― 歌声の感動をそのまま残す収録のコツ」の中で、あわせて紹介しています。

2. なぜ収録だと、客席で見る以上に伝わるのか ― 表情と手元を撮り分ける

客席から演奏を見ると、奏者の姿は見えても、指先の細かな動きや表情の変化までは、はっきりとは分かりません。少人数の演奏会では、この見えにくい部分を映せることが、収録ならではの大きな価値になります。

そこで、複数のカメラを同時に使って撮ります。この撮り方をマルチカメラ撮影といいます。全身をとらえるカメラ、表情を大きく映すカメラ、手元(鍵盤や弦、管の指づかい)に寄るカメラ、というように役割を分けます。台数ごとに撮れるものの違いや、固定カメラと有人カメラの役割は、「演奏会のマルチカメラ撮影|カメラの台数で変わる映像と選び方」にまとめています。

たとえばピアノなら、鍵盤の上から指の動きを映すと、見ている人が「こう弾いているのか」と引き込まれます。ヴァイオリンやチェロなら弓の動き、管楽器なら息づかいや指の動きが見どころです。

本番のあとは、編集でいちばん良い場面に切り替えながら一本にまとめます。こうして、節目の記念になり、次の演奏活動にもつながる一本を残せます。

実際にどんな映像に仕上がるかは、収録サンプルでご覧いただけます。

3. カメラは何台必要? ― 台数の考え方

カメラの台数は、ソロか室内楽か、手元をどこまで見せたいか、会場の広さで決めます。残したいものがはっきりするほど、必要な台数も見えてきます。少人数の演奏会なら、大編成ほど多くの台数は要りません。

カメラ1台・2台・3台+手元で、ステージ全体・表情のアップ・手元の寄り・室内楽の掛け合いがどう撮れるかを比較した表

おおまかな目安は次のとおりです。一台だけだと、ステージ全体を固定で映した記録の映像になります。二台にすると、全体を押さえながら、もう一台で演奏者の全身や表情に寄れるので、リサイタルらしい見ごたえが出てきます。パブットのプランは、この二台からです。

さらに手元を映すカメラを足すと、指の動きや弓づかいまで残せます。デュオや弦楽四重奏などの室内楽では、奏者どうしの掛け合いを映すカメラを一台足すと、やりとりが伝わりやすくなります。

費用は、台数や録音の仕様によって変わります。台数ごとの目安や料金の考え方はソロ・室内楽収録の料金案内にまとめているので、見積もりの前におおよその費用をつかめます。より正確な金額は、編成などいくつかの質問に答えるだけで、自動見積もりで確かめられます。

4. ソロと室内楽(アンサンブル)、それぞれの撮りどころ

同じ少人数でも、一人で弾くソロと、複数で合わせる室内楽とでは、見どころが少し違います。それぞれの撮り方を見ていきます。

ソロ・リサイタルと室内楽の撮りどころを比較した図。ソロは表情と手元、室内楽は奏者どうしの視線や掛け合いを撮る

ソロのリサイタルでは、一人の奏者だけを追って撮れます。ピアノなら、屋根の開いた側から奏者とピアノの姿をとらえ、横顔で表情を、上からの角度で鍵盤と指の動きを映します。弦や管なら、弓づかいや指づかい、息づかいを大きく映して残します。

室内楽の見どころは、奏者どうしの対話です。メロディを受け渡すときの視線や、息を合わせる瞬間を、掛け合う奏者を一つの画面に収めたり、渡す側と受ける側を交互に切り替えたりして見せます。

たとえば弦楽四重奏なら、第一ヴァイオリンの旋律にほかの三人が応える場面や、四人が一斉に視線を交わす瞬間を、奏者を大きく映した映像と全体の映像で撮り分けます。全員で鳴らす場面は全体を、一人の見せ場はその奏者を大きく映す、というように緩急をつけて組み立てます。

こうした掛け合いを楽譜に沿って追いたいときは、「スコアディレクター」を付けます。料金案内の「スタンダード」以上のプランで付けられる、別料金のオプションです。楽譜をもとに撮影の台本を作り、本番では楽譜を追う係が一名ついて、カメラマンに指示を出しながら撮ります。なお、写真の撮影もあわせて頼んだときは、ソロでも室内楽でも、シャッター音を抑えて撮り、演奏のじゃまをしないよう気をつけます。

5. 一音まできれいに録る ― 小編成こそ録音が命

少人数の演奏会でいちばん差が出るのは、実は音です。大編成と違って一音一音がはっきり聴こえるぶん、音がこもっていないか、ホールの響きまできれいに録れているかで、仕上がりの印象が大きく変わります。マイクの置き方や録音の考え方は、「演奏会の録音方法」でくわしく解説しています。

客席に置いたビデオカメラの内蔵マイクは演奏者から遠いため、音がこもったり、客席の物音を拾ったりしがちです。

きれいに録るには、楽器に合わせてマイクの位置を決めます。マイクを近づけると音の輪郭がはっきりし、離すとホールの響きが豊かに入ります。この近い音と遠い音をうまく混ぜて、明るさと広がりの両方を残します。

ピアノは、屋根を開けてマイクの位置を整えると、明るくまとまった音になります。ピアノならではの艶や余韻も、マイクの距離と角度を整えて拾います。弦や管も、近すぎないほどよい距離から、楽器の息づかいまで残します。

弦楽四重奏のように複数で演奏するときは、四つの楽器のバランスと位置が分かるようにマイクを立て、ホールの響きと混ぜて、一つのまとまりとして録ります。

録音担当がつく「高音質録音」(別料金のオプション)を付ければ、映像に合わせて音まで整えた一本に仕上げられます。

パブットは録音も社内で手がけているので、撮影と録音を別々に頼む必要はありません。撮影・録音・写真を一つの窓口でお引き受けし、録音まで含めた費用を一式の見積もりでお出しします。頼む先がばらけず、音と映像のズレの心配もありません。

録った音をCDにして残したいときの流れは、「演奏会のCDを作るには?録音から完成・配布までの流れと頼み方」で紹介しています。

6. 録った映像をほかにも使うには ― 著作権の考え方

リサイタルや室内楽の映像は、思い出に残すだけでなく、配信やプロフィール、入試・オーディションの提出用など、ほかの使い道も出てきます。そのときは、著作権の考え方を知っておくと安心です。

まず、お渡しした映像は、ホームページやYouTubeなどに載せたり、プロフィールや提出用に使ったりしていただいて構いません。

自分たちの演奏を録った映像なので、出演者みんなが同意していれば、演奏そのものを使うことに問題はありません。気をつけるのは、演奏する曲の著作権です。

古いクラシックの曲は、作曲者が亡くなってから七十年ほどがたつと著作権が切れ、手続きなしで使えることが多くあります。一方で、存命の作曲家の曲や、新しく作ってもらった曲(委嘱作品)、編曲された曲、外国の曲は、別に確認や手続きが必要になることがあります。

手続きの種類は、ディスクにする場合とネットで配信する場合とで変わります。曲の著作権の手続きはお客様にお願いしていますが、学校に関わる演奏会の場合は、見積もりのときにご相談いただけます。

7. 発注の前に確認すること

室内楽・ソロの収録を頼むときは、当日になって慌てないよう、先に確認しておきたいことがあります。

一つめは、配る枚数です。共演者や関係者に配るなら、何枚必要か早めに見当をつけておくと安心です。ディスクは一枚から作れるので、必要な数だけ用意できます。

二つめは、当日の段取りです。次の三つを決めておくと、当日の進行がスムーズになります。

  • 撮影のやりとりをする窓口の担当者を、主催者側で一名決めておく(ご本人で構いません)。
  • カメラやマイクを置く場所をあらかじめ確保しておく。
  • 本番前のリハーサル(通し練習)で、試し録りや画角の確認ができるかを決めておく。

会場との打ち合わせや、機材を持ち込む許可の確認は、頼んだ業者にかわりに進めてもらえることもあります。

三つめは、納期です。確認用の映像をお渡しするのは、本番から約1か月半が目安です(9〜12月の本番は約2か月)。ディスクは、内容と枚数が決まってから作ります。

入試やオーディションの提出用に使う場合は、曲を途中で切らないノーカットの通し映像も用意できます。

提出先に時間や形式の決まりがある場合や、配りたい時期・提出の締め切りが決まっている場合は、見積もりのときにお知らせください。

配る枚数や当日の段取りが決まったら見積もりへ

8. パブットの室内楽・ソロ収録 ― 収録専門の現場から

パブットは、演奏会・コンサートの収録を専門にしてきた制作会社です。これまでに200以上のホール・サロンで、撮影と録音を重ねてきました。撮影から映像の編集、録音、写真、ディスク制作や配信まで、本番を記録するための工程を一つの窓口で一貫して手がけています。

ピアノや弦・管のリサイタルから、デュオや弦楽四重奏などの室内楽まで、規模を問わず収録してきました。仕上げた映像は、ディスクのほか、後日の配信にも活かせます。

ご予算に合わせて、台数や仕様を一緒に考えます。実際の収録映像のサンプルや、ご依頼いただいた演奏家の声は、収録サンプルとお客様の声でご覧いただけます。

よくある質問(FAQ)

客席からは見えない手元も映せますか?

はい。鍵盤や弦、管の指づかいに寄るカメラを別に立てて、指の動きや、弦なら弓づかいまで残します。ピアノなら、鍵盤の上から指の動きを映すこともできます。客席からは見えなかった部分を見られるのも、収録映像の楽しみのひとつです。

カメラは何台がいいですか?

ソロのリサイタルなら、全体を押さえながら全身と表情を撮り分ける二台、手元まで残すなら三台が目安です。デュオや弦楽四重奏などの室内楽では、奏者どうしの掛け合いを映すカメラを一台足すと、やりとりが伝わりやすくなります。楽譜に沿って掛け合いを狙うときは、スコアディレクター(別料金)を付けます。台数は、会場や残したいものに合わせてご提案します。

ピアノの艶や響きも、きれいに録れますか?

はい。ピアノは音域が広く、録るのが難しい楽器です。屋根を開けてマイクの位置や角度を整えると、明るくまとまった音と、ピアノならではの艶や余韻を残せます。録音担当がつく「高音質録音」(別料金のオプション)を付ければ、映像に合わせて音まで整えた一本に仕上がります。

室内楽の、奏者どうしの掛け合いも撮れますか?

はい。メロディを受け渡すときの視線や、息を合わせる瞬間を、掛け合う奏者を一つの画面に収めたり、渡す側と受ける側を切り替えたりして見せます。全員で鳴らす場面は全体を、一人の見せ場はその奏者を大きく映して、緩急をつけます。楽譜に沿って狙うときは、スコアディレクター(別料金)を付けます。

自分のリサイタルの映像を、YouTubeやプロフィールに使ってもいいですか?

はい。お渡しした映像は、YouTubeやプロフィールに使っていただいて構いません。気をつけるのは曲の著作権で、その手続きはお客様にお願いしています。古いクラシックは手続きが要らないことが多く、存命の作曲家の曲や編曲版は確認が必要です。配信やプロフィールに使う予定があれば、見積もりのときにお知らせください。

古い曲なら、著作権の手続きはいりませんか?

作曲者が亡くなってから七十年ほどがたち、著作権が切れた曲は、手続きなしで使えることが多いです。ただし、編曲された曲には、その編曲に新しい権利が生まれることがあります。外国の曲は、保護が続いている場合もあります。心配なときは、見積もりのときにご相談いただければ確認できます。

小さなサロンや、響きの少ない会場でもきれいに録れますか?

はい。「高音質録音」(別料金のオプション)を付けると、録音担当が会場の響きに合わせてマイクの置き方を変え、臨場感のある音に仕上げます。小ホールやサロンでのリサイタル・室内楽も、数多く収録してきました。

まとめ

室内楽・ソロ・リサイタルの収録には、少人数だからこその魅力があります。客席からは見えない指先や表情、奏者どうしの対話まで映せることが、収録ならではの価値です。台数は、ソロか室内楽か、手元をどこまで見せたいかで決めます。

そして小編成でいちばん大事なのは、一音一音をきれいに録ることです。客席に置いたビデオカメラの内蔵マイクに頼らず、録音担当がつく「高音質録音」(別料金のオプション)でホールの響きごと録ると、仕上がりが大きく変わります。

映像を配信やプロフィールに使うとき、出演者みんなが同意していれば、気をつけるのは曲の著作権だけです。古いクラシックは手続きが要らないことが多い一方で、存命の作曲家の曲や編曲版は確認が必要です。

パブットは収録を専門に、リサイタルや室内楽の撮影から録音、ディスク制作までを一貫して手がけています。

見積もりは無料です。いくつかの質問に答えるだけで、その場で概算がわかります

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この記事の監修

株式会社パブット 収録チーム

演奏会の撮影・録音の専門会社。年間200件以上の収録を手がけ、これまでに200以上のホール・サロンで演奏を記録してきました。私たちについて

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