コンクールの予選が、会場での演奏ではなく、動画や録音の提出になった。いざ撮ろうとすると、「編集していいの?」「スマホで足りる?」「音はどう録ればいい?」と、分からないことだらけ。そんな声をよく聞きます。
結論から言うと、審査用の動画でいちばん大事なのは、途中で切らずに一度で撮ること(無編集)と、音をきれいに録ることです。映像のうまさよりも、再生されたときの音で実力が伝わるかどうかが、結果を大きく左右します。
この記事では、失格につながりやすい落とし穴、大会ごとに違う応募要項の見方、音で差をつける録り方、そして自分で撮るか業者に頼むかの判断まで、順に見ていきます。
パブットは演奏会の撮影と録音を専門にしてきた会社で、審査用の動画・録音もお引き受けしています。撮影だけでなく録音も社内で手がけているのが特徴です。
この記事の要点
- 審査用の動画は、本番を客席から撮るビデオとは別物です。途中で切らずに一度で撮る(無編集)のが、ほぼすべての大会で共通の大原則です。
- 落ちやすいのは「編集の継ぎ目」「音割れ・雑音」「顔や手元が見えない映し方」の三つ。逆に、ここさえ外さなければ、形としては通ります。
- いちばん差がつくのが音です。録音だけの審査では音がほぼすべてで、動画審査でも音の比重は大きいため、音割れを避け、響きごときれいに録ることが実力を伝える近道です。
- 撮影した時期、提出のしかた、名前の出し方などは大会ごとに違うので、必ず最新の応募要項を確認します。
- 業者に頼むと、音割れや映し方、編集とみなされる継ぎ目といった失格のもとを避けられます。一度で無編集に撮るので、プロが録っても不正にはなりません。費用は内容によって幅がありますが、独奏が中心の審査用は本番の演奏会の収録より手ごろなことが多く、自動見積もりで目安を確認できます。
1. コンクールの審査用動画・録音とは ― 本番の客席ビデオとは別物
コンクールの審査用動画・録音とは、予選などに提出するために、自分の演奏を一度きりで撮影・録音した映像や音源のことです。会場での本番を客席から記録する演奏会のビデオとは、目的も決まりもまったく違います。
演奏会のビデオは、お客様に配ったり記念に残したりするためのものです。何台かのカメラで撮り、いちばん良い場面をつないで一本に仕上げます。
一方、審査用は「ありのままの実力を、ごまかしなく見せる」ためのものです。だからこそ、途中で切ったりつないだりすることは許されません。
なお、本番の演奏会を客席から撮る場合は、会場や主催者の決まりで撮影できる業者が限られることがあります。それはまた別の話で、この記事では予選などに提出する審査用の動画・録音にしぼってお話しします。
2. 審査で落ちないための3つの原則
細かな決まりは大会ごとに違いますが、どの大会でも共通して「これを外すと落ちる」という点が三つあります。まずはこの三つを押さえれば、形として失格になることはほぼ避けられます。

一度で撮る(編集・つなぎはしない)
ほとんどの大会が、一台のカメラで途中を切らずに撮った動画だけを認めます。良いところを切り貼りしたり、別に録った音を後から重ねたりすると、見つかった時点で失格になります。
撮り直しは何度してもよいので、納得できる一本が録れるまで繰り返し、その中から丸ごと良いものを選びます。ただし「次がある」と思うと一本目に集中しにくいので、毎回を本番のつもりで弾くのがコツです。
最初の音より前と、最後の音より後の、何もしていない部分だけを切ることは、認める大会もあります。ただし、どこまで許されるかは大会によって違います。
顔と手元が見えるように、固定で撮る
カメラは三脚などで固定し、ズームや人の出入りで揺らさないようにします。三脚がなければ、机や譜面台など、安定した台に置いても構いません。
演奏している本人だと分かるよう、顔と手元(鍵盤や弦、指づかい)が映ることが求められます。全身まで入っていれば、なお安心です。
逆光で顔が暗くなったり、真横や極端な見上げ・見下ろしで誰だか分かりにくい角度は、それだけで落とされることがあります。逆光を避けるには、演奏者が窓を背にせず、光が顔の側から当たる向きに立つのがコツです。スマホは横向きにして、頭から手元まで(ピアノならペダルを踏む足元まで)が切れずに入る位置に置きます。
ヴァイオリンやチェロなら弓づかい、管楽器なら指づかいや息づかいが見えるよう、楽器の正面か、やや斜めから撮ると安心です。
音を割らせない・雑音を入れない
映像よりも音が大事です(くわしくは次の章で)。気をつけたいのが、大きな音での音割れです。スマホをすぐ近くに置くと、強く弾いたところで音がつぶれてしまいます。これを防ぐには、スマホを演奏者から二〜三歩ぶんは離して置くのが、手軽で効果的です。
録音アプリや一部のカメラには、音の大きさを自動で上げ下げする働き(自動の音量調整)があります。これが入っていると演奏の強弱がつぶれてしまうので、設定で切れる場合は切り、切れない機種では距離を取って補います。
エアコン・空気清浄機・冷蔵庫・外を走る車の音など、止められる雑音は止めます。暗すぎる・ぼやけている映像も失格のもとになるので、明るさとピントも確かめます。
撮る前にそろえておくこと
自分で撮るときは、本番前に次の点を確かめておくと、撮り直しの手間や、思わぬ事故を防げます。
- スマホやカメラの空き容量を確かめておく(足りないと途中で録画が止まります)。
- 充電を十分にしておく(録画は電池を多く使います)。
- 通知や着信で録画が止まらないよう、機内モードなどにしておく。
- 本番の前に短く試し撮りをして、映る範囲と音割れがないかを確認する。
- できればもう一台を予備として回し、機材のトラブルに備える。
3. いちばん差がつくのは「音」 ― 録れた音で実力が伝わる
会場で生の演奏を聴いてもらうなら、その場の響きや勢いも伝わります。けれど審査用では、再生されたときの音が評価を大きく左右します。
とくに録音だけの審査では、音がほぼすべてです。動画審査でも、映像とあわせて音の比重は大きく、どれだけ良い演奏をしても、録れた音がこもっていたり割れていたりすると、その実力は伝わりません。
独奏や小さな編成ほど、一音一音がはっきり出るので、音の良し悪しがそのまま結果に響きます。
いちばんの敵は音割れです。音には「これ以上大きい音は記録できない」という限界があり、それを超えると音がつぶれて、耳ざわりな音になります。
ピアノを全開で鳴らすと、スマホのすぐ近くではあっという間に割れてしまいます。だから演奏者から距離を取り、割れない大きさで録るのが基本です。
きれいに録るには、楽器との距離とマイクの位置がものを言います。近づけると音の輪郭がはっきりし、離すと部屋やホールの響きが豊かに入ります。この二つをうまく混ぜると、はっきりしていて、なおかつ豊かな音になります。
パブットは撮影だけでなく録音も社内で手がけています。審査用でも、響きごときれいに録り、割れないぎりぎりまで音を活かして、実力がそのまま伝わる一本に仕上げます。撮影と録音を別々に頼む必要がないので、映像と音のかみ合った提出物になります。
4. 録音審査(音源だけ)の注意点
コンクールによっては、映像ではなく音源(録音)だけを提出することもあります。音だけで勝負するぶん、録音の良し悪しがいっそう大きく出ます。
気をつけたいのは、音割れと雑音、そして「直しすぎ」です。雑音を消したり、音の大きさをそろえたりする作業も、大会によっては「加工」とみなされ、認められないことがあります。良かれと思って手を入れた結果、規定違反になることもあるので、どこまで許されるかは応募要項で必ず確かめます。迷うときは、できるだけ手を加えず、録るときにきれいに録るのが安全です。マイクの置き方や録るときの工夫のくわしい解説は演奏会の録音方法もあわせてご覧ください。
音源での提出では、音の保存の形(保存形式)や、CDで出す場合の決まりも大会ごとに違います。CDで出すなら、提出する前に最初から最後まで通して再生し、音飛びや無音がないかを確かめてから送ります。
5. 応募要項で必ず確認すること ― 大会ごとに違う決まり
ここまでの大原則はどの大会にも共通しますが、細かな決まりは大会によって本当にさまざまです。次の点はとくに分かれやすいので、出す大会の最新の応募要項を必ず確認してください。各大会の最新の募集要項や審査基準は音楽コンクールガイドでもまとめてご覧いただけます。
| 確認すること | よくある決まりの例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 撮影した時期 | 「今年の◯月以降」「提出から一年以内」など | このコンクール用に新しく撮り直すこと・使い回し禁止が多いです。 |
| 提出のしかた | 見られる人を限った動画の共有、ファイル送信、CDやデータの郵送など | 共有のやり方を間違えると受け付けてもらえないことがあります。 |
| 名前の出し方 | 動画の題名や説明欄に名前を入れない決まりが多い | 逆に、演奏後に名乗る決まりの大会もあります(正反対なので要確認)。 |
| 演奏時間・曲 | 時間の上限、課題曲、途中で止めないこと | 時間の大幅な過不足は減点や失格になることがあります。 |
| 暗譜 | 暗譜が必要か、楽譜を見てよいか | 部門によって分かれます。 |
| 伴奏 | 伴奏者と一緒に映すか、伴奏の音源を使ってよいか | 伴奏のあり方も大会で異なります。 |
| 楽器 | 電子ピアノが使えるか | グランド・アップライトに限る大会もあります。 |
とくに、動画の題名や説明欄の書き方ひとつで失格になる大会もあります。提出の細かな決まりは、つい見落としがちなので、提出する直前にもう一度確かめると安心です。
要項にまだ目を通せていない段階で迷ったときは、より厳しい側に寄せておくのが安全です。たとえば、前後もふくめて切らない、電子ピアノは避けてふつうのピアノで撮る、名前は動画に入れない、といった具合です。こうしておけば、多くの大会の決まりに当てはまりやすくなります。
6. 自分で撮る? プロに頼む?
審査用の動画は、スマホでも撮れます。実際、多くの大会が「家庭用のカメラやスマホで構わない」としています。お金をかけずに自分で用意できるのは、大きな利点です。

一方で、自分で撮ると、次のような失敗が起きがちです。たとえば、音が割れる、部屋が響きすぎる、逆光で顔が暗い、手元が画面から切れる、編集とみなされる継ぎ目ができる、などです。どれも、せっかくの演奏が正しく伝わらない原因になります。
プロに頼むと、こうした失格のもとを先回りで避けられます。場所の響きに合わせてマイクを置き、割れないように音を整え、顔と手元がきちんと入る映し方で、一度きりで無編集に撮ります。
「プロに録ってもらった動画は、編集しているとみなされて不正にならないの?」と心配される方がいます。けれど、一台のカメラで途中を切らずに撮り、音を作り替えなければ、誰が撮っても無編集であることに変わりはありません。問題になるのは「切り貼り」や「音の作り替え」であって、きれいに録ること自体は不正ではありません。
費用は、楽器や場所、撮り直しの有無などによって幅がありますが、独奏など小さな収録が中心の審査用は、本番の演奏会の収録にくらべて手ごろなことが多いです。だいたいの目安は自動見積もりで確かめられます。
プロに頼む場合の費用は、その場で確認できます
7. 発注の前に確認すること
審査用の動画・録音を頼むときは、当日になって慌てないために、先に決めておきたいことがあります。
いちばん大事なのは、締め切りから逆算することです。提出の期限、収録できる日、楽器のある会場や部屋が空いている日を照らし合わせ、余裕をもって日取りを決めます。撮ったあと、見られる人を限った形で動画を上げる作業にも、思いのほか時間がかかります。
当日の段取りは、次の三つを決めておくとスムーズです。
- 出す大会の応募要項(時間・曲・撮影できる時期・提出のしかた)を手元にそろえておく。
- 収録する場所(自宅・貸しスタジオ・小ホールなど)と、楽器が使えるかを確かめておく。
- 撮り直しができるよう、時間に余裕をもっておく。
最後に納期です。審査用は編集が少ないぶん、本番の演奏会の収録よりも短く、内容によっておおむね数日から、長くても数週間で仕上がることが多いです。提出の締め切りが迫っている場合は、見積もりのときに伝えてください。お急ぎのときも、締め切りに間に合うよう、収録の日取りから一緒に考えます。
8. パブットの審査用収録 ― 録音まで一つの窓口で
パブットは、演奏会・コンクールの撮影と録音を専門にしてきた会社です。これまでに200を超えるホール・サロンで収録を重ねてきました。撮影から録音、データのお渡しまで、本番を記録するための工程を、一つの窓口で一貫して手がけています。
審査用の収録では、応募要項の決まりに沿って、顔と手元がきちんと入る映し方で、一度きりで無編集に撮ります。そして、いちばん差がつく音を、響きごときれいに録ります。録音も社内で手がけているので、撮影と録音を別々に頼む必要はありません。
ピアノや弦・管の独奏から、室内楽や合唱まで、ジャンルを問わず収録してきました。実際の仕上がりは収録サンプル、ご依頼いただいた方の声はお客様の声でご覧いただけます。
よくある質問(FAQ)
審査用の動画は、スマホで撮っても通りますか?
はい。多くの大会が、家庭用のカメラやスマホで構わないとしています。画質の高さよりも、顔と手元が見えること、音が割れていないことのほうが大事です。ただし大きな音は割れやすいので、演奏者から少し距離を取り、自動の音量調整を切って撮ってください。
撮り直しは何回までできますか? いちばん良く撮れたものを選んでいいですか?
撮り直しは何度でもできます。その中から、いちばん良いものを丸ごと一本選んで提出します。気をつけるのは、複数の演奏の良いところをつなぐと、編集とみなされて失格になることです。一本まるごと、途中で切らずに撮ったものを選びます。
前後の余計な部分を切るのも編集になりますか?
最初の音より前、最後の音より後の、何もしていない部分だけを切るのは、認める大会もあります。一方で、曲の途中を切ったり、複数の演奏をつないだりするのは編集にあたり、認められません。どこまで切ってよいかは大会によって違うので、応募要項で確認してください。
音が少し割れてしまいました。失格ですか?
一部の大会では多少の音割れを認めることもありますが、多くの大会では音割れは避けたい点です。音割れは、演奏者から距離を取り、自動の音量調整を切ることでかなり防げます。割れた音は後から直せないので、録るときに割れていないかを必ず確かめてください。
録音だけ(音源)の審査で、雑音を消したり音量をそろえたりしてもいいですか?
大会によります。雑音を消す、音の大きさをそろえるといった作業も「加工」とみなして認めない大会があります。良かれと思って手を入れた結果、規定違反になることもあるので、どこまで許されるかを応募要項で必ず確かめてください。迷うときは、できるだけ手を加えず、録るときにきれいに録るのが安全です。マイクの置き方や録るときの工夫のくわしい解説は演奏会の録音方法もあわせてご覧ください。
プロに頼んだ動画は、編集していると思われませんか?
一台のカメラで途中を切らずに撮り、音を作り替えなければ、誰が撮っても無編集です。問題になるのは切り貼りや音の作り替えであって、きれいに録ること自体は不正ではありません。私たちは応募要項の決まりに沿って、一度きりで無編集に収録します。
本番の演奏会のビデオを、そのまま審査に出せますか?
おすすめできません。本番のビデオは何台かのカメラで撮り、場面をつないで仕上げることが多く、それは審査では編集とみなされます。また客席からの録音は音がこもりがちです。審査用は、応募要項の決まりに沿って、一度きりで撮り直したものを用意するのが安全です。
頼んでから、どれくらいで仕上がりますか?
内容によりますが、審査用は編集が少ないぶん、本番の演奏会の収録よりも短く、数日から数週間で仕上がることが多いです。提出の締め切りが決まっている場合は、見積もりのときにお知らせください。締め切りに間に合うよう、収録の日取りから一緒に考えます。
ピアノ以外の楽器や、歌でも頼めますか?
はい。弦・管楽器の独奏や、室内楽、声楽、合唱など、ジャンルを問わずお引き受けしています。楽器や編成によって、いちばん良い映し方とマイクの置き方は変わります。どんな審査に出すのかをお知らせいただければ、それに合わせてご提案します。
まとめ
コンクールの審査用動画・録音は、本番を客席から撮るビデオとは別物です。どの大会でも共通する大原則は、途中で切らずに一度で撮ること(無編集)。落ちやすいのは、編集の継ぎ目・音割れや雑音・顔や手元が見えない映し方の三つです。
そして、いちばん差がつくのは音です。審査では再生される音が大きな比重を占めるので、割れを避け、響きごときれいに録ることが、実力を正しく伝える近道になります。
細かな決まりは大会ごとに違います。撮影できる時期・提出のしかた・名前の出し方などは、必ず最新の応募要項を確認してください。
自分で撮ることもできますが、音割れや映し方、編集とみなされる継ぎ目といった失格のもとが心配なときは、収録の専門会社に頼むと安心です。パブットは撮影から録音まで一つの窓口で、審査用の一本を仕上げます。
見積もりは無料です。編成と日程を選ぶだけで、その場で概算がわかります




