学校行事のDVDと著作権|先生がJASRACに申請しなくていい場合とは

体育館のステージで合唱する児童生徒と、それを記録するビデオカメラのイラスト

行事の記録をDVDに残したいけれど、著作権が気になって踏み出せない。迷うのは、たいていここです。手続きが要るかどうかの分かれ目は、行事の種類ではなく、DVDにして配るかどうかで、配るなら手続きが必要になります。

この記事ではその分かれ目をくわしく見ていき、業者に撮影を頼んだ場合に先生が何をするのかもお伝えします。

スクールメモリー(株式会社パブット)は、学校の音楽行事の撮影と録音を専門にする制作会社です。著作権の手続きも毎年実際に行っており、その経験をもとにこの記事をまとめました。

スクールメモリーのロゴ

この記事の監修

スクールメモリー編集部株式会社パブット

学校の音楽行事(合唱コンクール・音楽会・学芸会・卒業式)の撮影・録音を専門にする制作チームです。演奏会を含め年間200件以上の収録をお引き受けし、関東を中心に学校の行事を現場で記録しています。JASRACと利用許諾契約を結んだ事業者の一覧に掲載されており、卒業記念用とコンクール用の著作権の手続きを学校に代わって行っています。

この記事の要点

  • 行事の中で演奏したり音楽を流したりするだけなら、多くの場合は手続きが要りません。
  • DVDやブルーレイにして児童生徒や保護者に配ると、手続きが必要になります。1枚だけ作った場合でも同じです。
  • 代金をいただいて売っても、無料で配っても、手続きが要ることに変わりはありません。
  • 撮影を業者に頼めば、学校に代わって手続きを引き受けてもらえます。ただし、引き受けるかどうかは業者によって分かれます。
  • インターネットの配信は、だれに見せるかで必要な手続きが変わります。

1.まず結論|行事の中だけなら不要、DVDを配るなら必要です

学校行事で音楽を演奏したり流したりするだけなら、多くの場合は手続きが要りません。ただし、その様子をDVDにして児童生徒や保護者に配るなら、手続きが必要になります。分かれ目は、配るかどうかの一点です。

合唱コンクールでも卒業式でも、音楽会や学習発表会、学芸会でも同じで、行事の名前では決まりません。

配る形は問いませんので、保護者に買っていただく場合も、無料でお渡しする場合も、手続きは必要です。

撮影を業者に頼んだ場合は、その手続きを学校に代わって引き受けてもらえます。ただし、引き受けるかどうかは業者によって分かれますので、依頼の前に確かめてください。なお、インターネットで配信する場合は、だれに見せるかで決まりが変わります。

三田(収録担当)

三田
(収録担当)

著作権のお問い合わせはよくいただきます。ただ、いちばん多いのは、そもそも手続きが要ること自体があまり知られていないことです。行事の記録では見落とされやすいので、気になったら早めにお尋ねください。

どんなときに手続きが要るか

分かれ目は行事の種類ではありません。記録をどう扱うかで決まります。

行事の中で演奏する。上映する。

要りません3つの条件をすべて満たす場合です。

DVD・ブルーレイにして配る。

必要です売っても無料でも変わりません。1枚でも同じです。

だれでも見られる形で配信する。

必要ですディスクとは別の手続きになります。

保護者に限って配信する。

許可は要りません学校が自分たちで行う場合です。見に来ることを認められた保護者や協力者に限ります。学校を運営する側が補償金(権利を持つ方へのお金)を支払います。

行事で自由に演奏できたからといって、その録音や録画まで自由になるとは限りません。演奏の手続きと、録音・録画の手続きは別のものです。

2.なぜ「配る」と手続きが必要になるの?

体育館のステージで合唱する児童生徒を、先生が客席側から見守っている。手前にはビデオカメラが立っている

実は、学校の中で授業のために使う分には著作権の手続きを省ける決まりがあり、これを定めているのが著作権法の35条です。ただし、この決まりの対象はあくまで授業に限られます。

入学式や卒業式、文化祭、合唱祭などの学校行事は、学習指導要領で特別活動と呼ばれます。学習指導要領とは、国が決めた学校の教育内容の基準のことです。この特別活動は、著作権法でいう授業に含まれると考えられています。

そのため、行事に必要な分であれば先生や児童生徒は曲や資料をコピーできますが、この決まりが使えるのは、すでに世に出ている作品だけです。

35条が使えるのは授業に必要なところまでです。権利を持つ方の利益を不当に損なう使い方は認められていませんし、わずかなら構わない、という話でもありません。

配る目的でDVDに保存した時点で、授業のために使うという話ではなくなりますので、ここから先は権利を持つ方の許可が必要です。

行事での演奏そのものは、3つの条件を満たせば手続きが要りません

すでに世に出ている曲を行事で演奏するとき、著作権法の38条が定めている次の3つをすべて満たしていれば手続きは要りません。

  • もうけを目的としていないこと。
  • 聴きに来た方から料金を受け取っていないこと。
  • 歌う人・演奏する人・指揮する人に報酬を払っていないこと。

気をつけていただきたいのは3つ目です。解説によっては、はじめの2つしか書いていないものもありますが、3つそろって初めて手続きが要らなくなります

プロの伴奏者やゲストの奏者、外部からお招きした指揮者に謝礼をお渡しする行事もあり、この場合は演奏そのものにも手続きが要るかどうかを確かめる必要があります。謝礼が報酬にあたるかどうか迷うときは、スクールメモリーにお尋ねいただければ、こちらで確認します。

DVDに保存した時点で、手続きが必要になります

行事のあとに、児童生徒や保護者へ記念品として配る目的でDVDに保存する場合は、権利を持つ方の許可が必要です。これについては、権利を持つ方と学校の関係者が話し合ってまとめた運用指針という決まりがあります。その3ページ目には、1枚だけ作った場合でも、あとから回収して捨てた場合でも、許可は必要になると書かれています。

ここが、学校行事の記録でいちばん見落とされやすいところです。

演奏の手続きと録音・録画の手続きは別のものだと、JASRACは説明しています。行事で自由に演奏できたからといって、その録音・録画まで自由になるとは限りません。

JASRACは先生向けの案内で、許可を得ていない場合は学校側が法律上の責任を負うこともある、と書いています。業者に依頼する場合も、手続きが済んでいるかどうかは確かめておいてください。

DVDを配るときは、肖像権や個人情報のことも考える必要があります。肖像権とは、自分の顔や姿を勝手に使われない権利のことです。なお、この記事では著作権にしぼって説明します。

3.手続きが必要になる3つの場面|売る・無料で配る・一般に公開する

手続きが必要になる場面は、次の3つです。

  • DVDを販売する場合。
  • 無料で配る場合。
  • インターネットで一般に公開する場合。

このうち、販売する場合と無料で配る場合とでは、手続きが要るかどうかに違いはありません

ディスクにするか、インターネットに載せるかで手続きの種類が変わりますので、出し方ごとに必要な手続きを表にしました。

出し方 必要になる手続きの種類
DVDやブルーレイにして配る。 ディスクにコピーするための手続き。
インターネットで一般に公開する。 インターネットで多くの人に届けるための手続き。

両方を行う場合は、2つとも必要になります。

販売する場合

保護者に買っていただく形で配る場合も手続きは必要で、学校が代金を集めても、保護者が直接お支払いになっても変わりません。

無料で配る場合

お金を受け取らずに配る場合も手続きは必要で、JASRACも、販売するときはもちろん、無料で配るときにも手続きが要ると説明しています。特に記念品としてお配りする場合は、無料なら要らないと誤解されがちです。

インターネットで一般に公開する場合

配信はディスクを作ることとは別の行為と考えられており、だれでも見られる形で公開するなら、ディスクとは別に手続きが必要です。

配信の決まりは見せる相手によって変わりますので、保護者に限って見せる場合の考え方は、この記事の後半にある配信の章でくわしく説明します。

4.業者に依頼したら、先生の手続きはどうなるの?

撮影と制作を業者に依頼した場合、著作権の手続きは業者が引き受けられます。学校に代わってディスクを作る業者のための決まりを、JASRACが用意しているからです。

ただし、どの業者も引き受けるとはかぎりません。著作権の手続きまで引き受けてもらえるか、その費用は見積もりに含まれているかを、依頼の前に必ず確かめてください。著作権の手続きを含め、業者選びで確認しておきたい項目は学校行事の撮影業者の選び方の記事にまとめています。

引き受ける業者に頼んだ場合、先生にお願いするのは2つです。行事の日程と会場のお知らせと、演奏する曲名と伴奏があるかどうかのお知らせです。

学校に代わって業者が申請できる仕組みがJASRACにあります

JASRACには、卒業記念用とコンクール用の録音・録画物についての決まりがあります。この決まりを使えるのは学校から依頼を受けて行事を収録する業者で、児童生徒などに配る目的で、学校に代わってディスクを作る場合に使えます。

これは学校が直接結ぶ契約ではなく、業者の側が使う仕組みです。

スクールメモリーも、JASRACと利用許諾契約を結んでいます。これは、音楽を使ってよいという約束をあらかじめ交わしておくものです。

この契約を結ぶと使用料が安くなりますが、曲ごとの手続きが要らなくなるわけではありませんので、申し込みは1曲ずつ行います。

JASRACは、この契約を結んだ事業者の一覧をホームページで公開しています。スクールメモリーを運営する株式会社パブットも、関東地方の欄に載っています。学校の記念品用とコンクール用、両方の契約を結んでいることが確かめられます。

この一覧は、撮影を頼む先を選ぶときに先生ご自身で確かめられる情報です。ただし、ここに載っているのは公開に同意した事業者だけで、載っていない事業者でも契約している場合がある、とJASRACは書いています。

著作権の手続きにかかる費用は、プランの販売価格に含まれています。

学校の予算を使わずに進める形もあります

著作権の手続きにかかる費用は、学校の予算から出していただく必要はありません。DVDやブルーレイの代金は、購入を希望する保護者にご負担いただくのが一般的です。校内で予算が取れない年でも、あきらめる必要はありません。

ディスクに表示する許諾番号とは?

手続きが済むと、JASRACから許諾番号とマークが送られてきます。許諾番号とは、音楽を使ってよいと許可されたことを示す番号のことです。

ディスクの印刷面には、この番号とマークを表示します。印刷面とは、文字や絵が刷られている側のことです。この面には、使った曲の題名と、その曲を作詞・作曲した方のお名前も入れます。

ケースや表紙などの印刷物にも外から見える場所に同じ内容を表示し、こちらには申し込みをした方のお名前も加わります。

お支払い方法が変わっても、著作権の手続きは同じです

お支払いの方法は、2つご用意しています。学校で集金していただく方法と、保護者にインターネットで直接お支払いいただく方法です。どちらを選んでいただいても、著作権の手続きはスクールメモリーが行います。

お支払い方法のくわしい流れはご利用ガイドに載せています。

業者に頼んだ場合、だれが何をするか

手続きを引き受ける業者に頼んだ場合、著作権にかかわる作業はすべて業者の側で行います。

先生がすること

2つだけです

  • 行事の日程と会場を伝える。
  • 演奏する曲名と、伴奏があるかどうかなどを伝える。

業者がすること

5つあります

  • 曲ごとに権利の管理先を調べる。
  • JASRACへ申し込む。
  • 使用料を支払う。
  • 許諾番号とマークをディスクの印刷面とケースに表示する。
  • JASRAC以外の団体が管理する曲の手続きをする。
窓口を探す必要はありません書類を作っていただくこともありません。ご希望でしたら、お届けの前に許諾番号などをお知らせします。

実際にご依頼いただいた学校から、お寄せいただいたお声を公開しています。

著作権の手続きについてのご質問も、あわせてご覧いただけます。

お客様の声を見る

5.学校で自分たちで手続きするときの流れ

職員室の机でノートパソコンに向かい、書類を見ながら手続きを進めている先生

業者に頼まず学校で手続きする場合、手順は4つです。曲の権利を調べ、申し込みをして、許諾番号などを表示し、使用料を支払います。このうち時間がかかるのは、1つ目の権利を調べる段階です

三田(収録担当)

三田
(収録担当)

先生からいただく曲名や作詞・作曲された方のお名前は、正式な登録と食い違っていることが少なくありません。こちらで一つずつ照らし合わせて、正しい表記に直してから申し込んでいます。

手続きの4つの手順

順番 すること
1 作品データベースで曲の権利を調べる。
2 窓口で申し込みをする。
3 許諾番号などをディスクとケースに表示する。
4 使用料を支払う。

まず、曲の権利を調べます。JASRACの作品データベース「J-WID」を使うと、曲ごとに権利の管理先を確かめられます。J-WIDは、JASRACのサイトの案内ページから開けます。

権利の管理先は変わることがあり、作品データベースも毎日更新されていますので、収録の時期が近づいてから調べると確実です。

2つ目は申し込みで、インターネットの窓口からでも書類でも手続きできます。

申し込むのは学校で、JASRACの先生向けの資料にも、学校またはDVDを作る事業者が許可を受ける必要がある、と書かれています。

3つ目は、許諾番号などの表示です。許可が下りるとJASRACから許諾番号とマークが送られてきますので、これをディスク本体とケースなどの印刷物に表示します。

4つ目は使用料の支払いです。金額は、使う曲の数と、その曲を何分使うか、作る枚数で決まり、目安はJASRACの映像ソフトの解説ページで確認できます。

つまずきやすい2つの点

1つ目は、権利の管理先が分かれていることがある点です。同じ1曲でも、演奏する権利と録音・録画する権利で預け先が違うことがありますし、作詞した方と作曲した方が、別々の団体に権利を預けていることもあります。

1か所調べて出てこなくても、その曲が使えないとは限りません。データベースの表示は「この団体が預かっているかどうか」であって、「使えるかどうか」ではないからです。

スクールメモリーが実際に担当した行事でも、こんな例がありました。JASRACのデータベースでは、録音・録画の欄がすべて「預かっていない」という表示でした。ところが、別の団体のデータベースで調べ直すと、そちらがすべて預かっていたのです。

この曲は、演奏する権利をJASRACが、録音・録画する権利を別の団体が預かっていました。1か所だけを見て諦めると、本当は使える曲を落とすことになります。

著作権を管理している団体はJASRAC以外にもありますので、1か所の結果だけでその曲を諦めないでください。どの団体が登録されているかは、文化庁のページで確認できます。

逆に、データベースに載っていないからといって、自由に使える曲だとも限りません。届け出がなかったり、使われた記録がなかったりして、まだ載っていないだけの場合もあります。

2つ目は、市販のCDに入っている音をそのまま使う場合です。曲そのものの手続きとは別に、そのCDを出したレコード会社などの許可が要りますし、CDで歌っている方や演奏している方の権利も関係します。

進め方には順番があり、まずCDを出しているレコード会社に問い合わせて許可をもらい、そのうえでJASRACの手続きに進みます。

行事で児童生徒が演奏した音を収録する場合、レコード会社の許可は要りませんが、JASRACへの手続きは必要です。

1曲の権利が2つに分かれていることがあります

同じ1曲でも、演奏する権利と録音・録画する権利で、預けている先が違うために起こります。

1つの曲

演奏する権利

行事で歌ったり演奏したりするときの権利です。ある団体が管理しています。

録音・録画する権利

その様子をディスクに残すときの権利です。別の団体が管理していることがあります。

1か所の結果だけで諦めないでくださいデータベースの表示は「使えない」ではなく「その団体が預かっていない」という意味です。JASRACで見つからなくても、別の団体が預かっていることがあります。

逆もあります。データベースに載っていない曲が、自由に使えるとは限りません。届出や利用の実績がないために、まだ載っていないだけの場合もあります。

ここまでの4つの手順は、撮影とあわせてお任せいただくこともできます。お引き受けした場合の進め方は、ご利用ガイドにまとめています。

お問い合わせからお届けまでを、3つの段階に分けて説明しています。

ご利用ガイドを見る

6.配信は、だれに見せるかで決まりが変わります

夜の自宅のソファで、机に立てたタブレットで学校行事の配信を見ている保護者

学校行事をインターネットで配信する場合、必要な手続きは見せる相手で変わります。保護者に限って見せる場合と、だれでも見られる形で公開する場合とでは、守るべき決まりがまったく違います。

配信は、次の3つに分かれます。

  • 学校が保護者に限って見せる場合。
  • 別の場所にいる児童生徒へ中継する場合。
  • だれでも見られる形で公開する場合。

まずは、自校の予定がどれにあたるかを確かめてみてください。

保護者に限って配信する場合

参観の代わりに、学校が保護者や行事の協力者に限って配信する場合があります。この場合、権利を持つ方の許可は要らないと、先ほどふれた運用指針に書かれています。

この配信は、補償金という制度に支えられています。補償金とは、授業のために作品をインターネットで送るときに、権利を持つ方へまとめて支払うお金です。支払うのは、学校を運営している自治体や学校法人です。

この補償金は先生が個別にお申し込みになるものではありませんので、手続きが済んでいるかどうかは、教育委員会など学校を運営している側にご確認ください。

見せる相手を絞れば何でもよい、というわけではなく、見に来ることを認められた保護者や協力者に限ることが前提です。そのうえで、学校が決めた個人情報などの守り方について、見る保護者や協力者に同意していただく必要があります。

配信してよいのは行事に必要と認められるところまでで、権利を持つ方の利益を不当に損なわないことも必要です。

あとから見られるようにする場合も、考え方は同じです。この場合は、次の3つを守ってください。

  • 見られる期間をあらかじめ決めておくこと。
  • 著作権と個人情報について、事前に保護者へ説明すること。
  • 期間が終わったら映像をすぐに消すこと。

保護者へのお願いも必要です。次のことをしないよう、学校から事前に説明して同意を得ておきます。

  • 映像を保存する。
  • ほかの人に送る。
  • 画面を撮影する。
  • SNSに載せる。

見るためのアドレスや番号にも気をつけてください。パスワードをかけずに学校のホームページやSNSに載せると、だれでも見られる状態になってしまいます。そうなると、ここで説明した保護者に限った配信ではなくなります。

許可が要らないのは、学校が自分たちで配信する場合の話です。35条でコピーや配信ができるのは先生と児童生徒であり、外部の業者が引き受ける場合については、運用指針に書かれていません。

配信をお考えでしたら、進め方が決まった段階でご相談ください。

別の場所で同じ授業を受ける児童生徒に中継する場合

不登校の児童生徒のほか、保健室や病院の中の学級で学んでいる児童生徒に、行事の様子をそのまま中継する場合があります。

この場合は、権利を持つ方の許可も補償金も要りません。授業のための配信として著作権法の35条が認めているからです。この中継については補償金も要らないと、35条3項が定めています。

だれでも見られる形で公開する場合

一般に公開する配信には、「授業のためのコピーだから手続きを省ける」という決まりは使えません。DVDの手続きを済ませていても、配信するなら別に許可が必要です

もうけを目的としない配信の手続きの流れをお伝えします。申し込みをして書類を郵送し、許可の番号とマークを受け取ります。受け取った番号とマークは、配信するページの見やすい場所に載せます。

そのあと使用料を支払い、使った曲を報告します。映像に合わせて音楽を流す場合は、これに加えて別の手続きが要ることもありますし、市販のCDに入っている音をそのまま流すなら、レコード会社などの許可も先に必要です。

YouTubeのような動画の投稿サービスに載せる場合も、だれでも見られる形の1つですが、ここだけ決まりが少し違いますので、よくある質問で説明します。

7.学校行事のDVDと著作権についてよくある質問

学校の先生からよくいただくご相談と、よく調べられている質問を10問にまとめました。費用、学校側の手続き、楽譜や校歌、配信について取り上げます。どれも、行事のDVDを作るときにつまずきやすい点です。

Q.

著作権の使用料は、撮影費とは別に請求されますか?

A.

スクールメモリーにご依頼いただいた場合、著作権の手続きにかかる費用はプランの販売価格に含まれています。撮影費とは別に、著作権の使用料をご請求することはありません。

手続きの申し込みもスクールメモリーで行いますので、学校からJASRACへ使用料をお支払いいただく場面もありません。ディスクの代金は、購入を希望する保護者にご負担いただく形が一般的です。

著作権の手続きの費用も、学校の予算から出していただく必要はありません。費用の内訳で気になる点があれば、お見積もりの段階でお尋ねください。

Q.

業者に依頼した場合でも、学校からJASRACへ申請する必要はありますか?

A.

学校から申請していただく必要はなく、スクールメモリーが申請します。収録する曲名と、伴奏があるかどうかは、スクールメモリーからお尋ねします。

曲によっては、録音・録画の権利をJASRAC以外の団体が管理していることもあります。その場合もスクールメモリーが調べて手続きしますので、先生が窓口を探す必要はありません。ご希望でしたら、お届けの前に許諾番号などを学校へお知らせします。

Q.

配る枚数が数枚でも手続きは必要ですか?

A.

はい、必要です。配る目的でDVDに保存した時点で、学校の授業のためのコピーではなくなるからです。

権利を持つ方と学校の関係者がまとめた決まりにも同じことが書かれており、1枚だけ作った場合でも、あとから回収して捨てた場合でも変わりません。

枚数の多さで決まるものではなく、学年の人数分を作る場合も、ご希望の方にだけお渡しする場合も同じです。枚数が少なくても、手続きは必要だとお考えください。

Q.

入場は無料ですが、資料代をいただいています。これは料金にあたりますか?

A.

あたることがあります。行事での演奏に手続きが要らないのは、3つの条件をすべて満たす場合だけだからです。

はじめの2つは、もうけを目的としないことと、聴きに来た方から料金を受け取らないことです。3つ目に、歌う人・演奏する人・指揮する人に報酬を払っていないことが加わります。

2つ目の条件でいう「料金」は、呼び方を問いません。資料代や協力金という名前でも、聴きに来た方からいただくお金であれば、料金にあたることがあります。判断に迷ったときはスクールメモリーでも確認しますので、気軽にお尋ねください。

Q.

合唱コンクールでは編曲された楽譜を使います。楽譜のことで気をつける点はありますか?

A.

気をつける点は2つあります。1つ目は編曲です。38条が認めているのは、上演したり演奏したり上映したりすることまでで、曲そのものを作り変えることは含まれません。

曲を短く編曲したり、歌詞を変えたりする場合は、3つの条件を満たしていても別に許可が必要になることがあります。合唱コンクールでは編曲された楽譜を使うことも多いので、確かめておくと安心です。

2つ目は楽譜のコピーです。権利を持つ方と学校の関係者がまとめた決まりには、合唱祭で使う楽譜をコピーして児童生徒や保護者に配る例が挙がっています。楽譜が売れなくなり、権利を持つ方の利益を不当に損なうおそれがある、というのが理由です。

この場合は、人数分の楽譜を買うか、許可を受けることになります。

Q.

校歌やクラシックの曲でも手続きは必要ですか?

A.

校歌の著作権は、ふつう作詞した方と作曲した方にあり、学校が権利を持っているとは限りません。著作権を管理する団体に預けられている校歌であれば、ほかの曲と同じ手続きになります。

ちなみに、作った方が亡くなってから長い年月がたった曲は、著作権が切れていることがあります。クラシックの曲などがそうで、この場合は手続きが要りません。

ただし、合唱で使う楽譜は編曲されていることが多く、その場合は編曲した方の権利が別に残ります。元の曲の著作権が切れていても、手続きが要ることがあります。

校歌もクラシックも、曲ごとに答えが違いますので、スクールメモリーにご依頼いただいた場合はこちらで調べておきます。

Q.

撮影した映像を、学校のホームページや保護者向けのページに載せてもよいですか?

A.

だれでも見られる形で載せる場合はディスクを作ることとは別の手続きになりますので、DVDの手続きを済ませていても、そのまま載せられるわけではありません。

学校が保護者に限って見せる場合は、参観の代わりとして許可を受けずに行えることがあります。ただし見せる相手は、見に来ることを認められた保護者や協力者に限られます。

この配信は補償金という制度に支えられていて、学校を運営している自治体や学校法人が権利を持つ方へまとめて支払う仕組みです。手続きが済んでいるかどうかは、教育委員会など学校を運営している側にご確認ください。

あとから見られるようにする場合は、さらに3つを守ってください。①見られる期間を先に決める、②著作権と個人情報について事前に保護者へ説明する、③期間が終わったら映像をすぐに消す、の3点です。

パスワードをかけずにアドレスをホームページやSNSに載せると、だれでも見られる状態になってしまいます。配信の形が決まった段階で、一度ご相談ください。

Q.

YouTubeなどの動画共有サービスに載せる場合はどうなりますか?

A.

動画共有サービスの中にはJASRACと契約しているものがあり、契約しているサービスなら、決められた範囲にかぎり、手続きなしで音楽を使った動画を投稿できます。

ただし、この範囲から外れる場合もあるとJASRACは説明しています。学校に関係しそうなのは、次の3つです。

・外国の曲を含む動画を、学校の名前で投稿する場合。 ・学校や催しの宣伝を目的とした動画を投稿する場合。 ・会場にお客様を招いて開いた催しの映像を投稿する場合。

3つ目については、同じページでJASRACが学校向けの補足を出しています。文化祭や学園祭のような催しでも、次の3つを満たしていれば、演奏についての手続きは要りません。もうけを目的としないこと、聴きに来た方から料金を受け取らないこと、歌う人・演奏する人・指揮する人に報酬を払っていないことの3つです。

それ以外の多くの場合は、投稿の手続きをすれば載せられます。ただし、外国の曲はJASRACだけで許可を出せないことがあると、JASRACが注意を促しています。外国の曲を使う予定があるときは、投稿の前に曲ごとに確かめておいてください。

なお、市販のCDの音をそのまま使った動画は、曲そのものの手続きとは別に、そのCDを出したレコード会社などの許可が必要です。

Q.

DVDを配るとき、著作権のほかに気をつけることはありますか?

A.

児童生徒が写る映像を配る以上、肖像権や個人情報のことも考える必要があり、著作権の手続きが済んでいれば足りる、というものではありません。

歌ったり演奏したりした本人にも、その様子を録音・録画してよいかどうかを決める権利がありますので、児童生徒が出演する行事では、撮影や配布についての同意を保護者から得ておいてください。外部の方に演奏していただく場合も同じです。

撮影を控えてほしい児童生徒がいる場合は、事前にお知らせいただければ編集の段階でモザイクをかけて対応します。当日の流れと編集でできることは、学校行事の撮影を控えてほしい児童生徒がいるときにまとめました。配ったあとの使い方を保護者にどうお伝えするかも、あわせてご相談いただけます。

Q.

DVDを作る予定があるとき、いつ相談すればよいですか?

A.

撮影のご依頼は先着順にお受けしていて、いつまでにという決まりはありません。早い学校では本番の半年ほど前にご連絡をいただいていますし、直前のご相談もお受けします。

日程はご相談の早い順にお取りしますので、行事の日が決まった段階でご相談いただくと確実ですし、空いていれば直前でもお受けできます。演奏する曲が決まっていれば、その曲の権利がどこで管理されているかもあわせてお調べしておきます。

8.まとめ|分かれ目は「配るかどうか」です

リボンをかけたディスクのケースを両手で差し出しているところ

手続きが要るかどうかを分けているのは、行事の名前ではなく、配るかどうかです。行事の中で演奏するだけなら、多くの場合は手続きが要りません。

ディスクにして配るなら手続きが必要になり、代金をいただいても、無料でお渡ししても、この点は変わりません。業者に依頼した場合は、その手続きを引き受けてもらえるかどうかを先に確かめてください。

インターネットでの配信は、だれに見せるかで必要な手続きが変わります。ご予定があれば早めにご相談ください。

行事の撮影と録音をご検討でしたら、無料でお見積もりをお出ししています。

お問い合わせフォームでご記入いただくのは、お名前・メールアドレス・学校名・会場名・本番の日付・ご相談内容の6つです。折り返し、くわしい料金をお送りします。

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参考にした情報

「学校行事のDVDと著作権|先生がJASRACに申請しなくていい場合とは」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 学校行事の撮影を控えてほしい児童生徒がいるとき|当日の対応と、編集でできること

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