
音楽会のビデオ係を頼まれた、あるいはわが子の合唱を残しておきたい。ところが去年の映像を見返すと、画面は暗く、顔は遠く、音もよく聞き取れない。体育館で撮るとなぜかうまくいかない、というお声を、学校の先生からいただきます。
この記事では、カメラをどこに置くか、画面の明るさをどう合わせるか、取り返しのつかない失敗をどう防ぐかの順にお伝えします。新しい機材を買い足さなくてもできることから書いていきますので、本番まで時間がない場合は、一度撮ってみて、撮れた映像を見るところだけでも済ませてみてください。
なお、音だけは、機材を足さずに良くする方法がありません。ですからこの記事は、映像の話にしぼります。音に何が要るかは、記事の後半でお伝えします。
この記事は、学校の記録として撮る先生と、客席から撮る保護者の両方に向けて書いています。見出しに「先生が」「保護者が」と書いてある章は、その立場の方に向けたものです。それ以外の章は、どちらの立場にも当てはまります。自分に関係のない章は飛ばしてお読みください。
スクールメモリー(株式会社パブット)は、学校の音楽行事の撮影と録音を専門にする制作会社です。演奏会も合わせて年間200件以上の収録をお受けしており、学校の体育館での撮影もそのなかに入ります。この記事は、よくいただくご質問と、よく調べられている質問をもとにまとめました。

この記事の監修
スクールメモリー編集部株式会社パブット
学校の音楽行事(合唱コンクール・音楽会・学芸会・卒業式)の撮影・録音を専門にする制作チームです。演奏会を含め年間200件以上の収録をお引き受けし、関東を中心に学校の行事を現場で記録しています。JASRACと利用許諾契約を結んだ事業者の一覧に掲載されており、卒業記念用とコンクール用の著作権の手続きを学校に代わって行っています。
この記事の要点
- カメラは手で持って追いかけるより、置いて動かさないほうが見やすい映像になります。三脚はあったほうが安心です。
- 置く場所の原則は、後ろの中央です。体育館の中二階に上がれるならそこがいちばん良い場所ですが、上がれるかどうかは学校によって違うので、先に確かめてください。
- 体育館で授業や部活動に求められる明るさは、300ルクス(明るさの単位)とされています。人が活動するための数字なので、カメラにとっては足りないことがあります。
- 取り返しのつかない失敗は撮り方ではなく、録れていなかったことです。映像を保存するメモリーカード(SDカードなど)の空きを本番前に確かめ、電池を充電しておき、本番の途中で一度だけ録画中の表示を見に行けば防げます。
- 音は映像とは別に考えます。カメラに付いているマイクだけでは、そのカメラを置いた場所に届いた音がそのまま入ります。
1.まず結論|体育館のビデオは、腕ではなく段取りで決まります
体育館が撮りにくいのには理由があって、ステージまでが遠いこと、カメラにとっては暗いこと、そして本番が一度きりで撮り直せないことの3つが重なります。腕を上げないと直せないものは、実はこの中にひとつもありません。
腕ではなく段取りの話ですから、押さえるのは次の3つだけです。
- どこにカメラを置くか。
- 本番の最後まで、動かさずに録り切れるか。
- 本番の途中で、録れているかを確かめたか。
なお、スマートフォンで撮る場合も、この3つはそのまま当てはまります。設定の名前も、どこを触るかも機種によって違いますので、名前を覚えるのではなく、この3つの考え方のほうを持って行ってください。
新しいカメラを買い足さなくても、置き場所と段取りで映像は変わりますので、ここから順に見ていきます。
2.カメラをどこに置くか|いちばん良いのは中二階
先生がご自分で撮る場合も、保護者が客席から撮る場合も、最初に決めるのは置き場所です。
体育館で撮る場所としていちばん良いのは、中二階です。ステージを正面から少し見下ろす高さになるので、前に立った人の頭が画面に入らず、並んだ児童生徒の後ろの列まで写ります。
この通路には、観覧に使う幅のある造りのものと、点検のための狭い造りのものがあります。どちらも、学校によってギャラリーやキャットウォークと呼ばれます。
ただし、中二階に上がれるかどうかは、学校によって違います。上がれる体育館もあれば上がれない体育館もありますので、置き場所を考えるより先に、中二階を使ってよいかどうかを学校に確かめてください。
上がってよい場合は、三脚が落ちないようにしてから撮りはじめてください。下には人がいますので、ここは省けません。手すりに紐で結ぶか、手すりから離して立てて、倒れても落ちない場所に置いてください。スクールメモリーは、手すりに結んでいます。
なお、スクールメモリーは機材を持って上がりますので、幅のある通路があるときは、そちらを通っています。
中二階に上がれなかったとしても、置き場所の考え方そのものは変わりません。中二階が使えないときは、後ろの中央から、できるだけ高いところに構えてください。スクールメモリーも、中二階に上がれない体育館では、1階のいちばん後ろの中央から撮っています。高さは、持っている三脚で出せる範囲で構いません。
三田
(収録担当)
そこに立てているのは、学校からお借りした足場です。ビデオカメラと撮影者が乗りますので、図工室の机などをお借りすることもあります。
先生が撮るとき|上がれる時間帯まで先に決めておく
学校の記録として撮る場合は、学年ごとに通しで撮ることになるため、途中で置き場所を変える余裕がありません。決めた場所にカメラを固定して、最後までそこで録り切ることになります。
その場所を本番中も空けておけるかどうかは、担当の先生と決めておいてください。後ろのほうは、保護者の立ち見の場所になることがあるからです。
あわせて、当日そこへ上がれる時間帯も、本番前に学校の担当の先生と決めておいてください。行事の当日は準備にあてられる時間がかぎられますので、いつ上がるかを先に決めておくと慌てずに済みます。
保護者が撮るとき|席を選べるなら、後ろの中央寄りへ
保護者の場合は席が決まっていることが多く、選べる余地はかぎられます。席を選べるようなら、さきほどの原則どおり、後ろの中央寄りを目安にしてください。
席が選べない場合は、置き場所で粘るより、いま座れる場所で揺れを抑えるほうが早く効きます。その方法は記事の後半でお伝えします。
撮影の業者が入っている行事でも、学校が保護者の撮影を認めている場合であれば、ご自分が撮る場所が業者のカメラと重ならなければ問題ありません。どこなら重ならないかが分からないときは、当日を待たずに学校を通して確かめておくと安心です。
撮る場所は、中二階に上がれるかどうかで分かれます
いちばん先に確かめるのは、中二階に上がってよいかどうかです。置き場所を考えるより前に、学校に聞いてください。
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上がってよい場合
中二階に三脚を立て、手すりに紐で結ぶか、手すりから離して置きます。当日に上がれる時間帯もあわせて決めておきます。
上がれない場合
1階のいちばん後ろの中央へ。そのうえで、持っている三脚で出せる範囲で少しでも高く構えます。
3.体育館は思っているより暗い|画面の明るさの合わせ方

体育館の明るさは、人の目には足りていても、カメラには足りないことがあります。ここは覚えることを増やすほど当日に迷うところですので、短くお伝えします。
体育館で授業や部活動をするときに求められる明るさは、300ルクス(明るさの単位)とされています(一般社団法人日本照明工業会による学校照明の解説)。これは人が活動するために決められた下限の数字で、カメラのために決められたものではありません。
暗いところでカメラができることは3つあります。露出補正(画面全体の明るさを手で上げ下げする調整)、ISO感度(暗い場所で明るく写すための設定)、シャッタースピード(1コマを写す時間の長さ)です。ただしISO感度は、上げすぎると画面がざらつきます(フジヤカメラによる解説)。シャッタースピードのほうも、長くするほど明るくなる代わりに動きがぶれます(フジヤカメラによる解説)。
露出補正は、この2つをカメラに動かしてもらうための指示です。明るくすれば、ざらつきとぶれのどちらかが少し増えます。
それでも触る設定を1つにしぼるなら、露出補正にしてください。ほかの2つは、どちらをどれだけ動かすかを自分で決めることになります。キヤノンの写真用語集では、白っぽいものならプラス側へ、黒っぽいものならマイナス側へ寄せるのが基本と説明されています。これは写すものの色の話で、会場が暗いからマイナス側へ、という意味ではありません。
ホワイトバランス(照明の色に合わせる設定)も同じ画面から選べますが、体育館の照明は建物ごとに違いますので、これも本番前に見て決めるのが確実です。
どこに合わせるのが正解かは、体育館の作りと照明で変わります。だから数字を覚えるより一度撮ってみるほうが早いのですが、撮ってから直すまでの順番を決めておくと迷いません。まず自動のまま撮ってみて、顔が暗く写るようなら、露出補正を明るい側へ寄せてください。ざらつきが目立ってきたら、そこで止めてください。明るさとざらつきは、どちらかを取るともう一方が悪くなる関係だからです。
先生の場合は、本番と同じ時間帯に体育館で試し撮りができます。リハーサルがあるなら、その時間を使うのがいちばん確実です。照明も本番と同じ点け方にしてもらってください。保護者の場合は、前もって体育館で試すことはできませんので、席に着いてから一度撮ってみて、同じことを確かめてください。
試し撮りは、カメラの小さな画面ではなく、大きい画面で確かめてください。小さな画面では、暗さもざらつきも分からないからです。先生は、撮った映像を教室のパソコンに移して見てください。保護者はその場で見ることになりますので、顔が暗すぎないかだけを見てください。
カメラの画面では、これらの言葉が短く表示されていることがあります。設定を探すときは、下の表を見ながらメニューをたどってみてください。
| 言葉 | カメラの画面での表示 | 何をする設定か |
|---|---|---|
| 露出補正 | 露出補正/EV/±0 | 画面全体の明るさを手で上げ下げする |
| ISO感度 | ISO感度/ISO | 暗い場所で明るく写す |
| シャッタースピード | シャッタースピード/SS | 1コマを写す時間の長さを変える |
| ホワイトバランス | ホワイトバランス/WB | 照明の色に合わせる |
スマートフォンで撮る場合も、明るさは変えられます。iPhoneでは、画面のうち明るさを合わせたいところを指で軽く押すと、そのそばに印が出ます。その印を上下に動かすと、画面が明るくなったり暗くなったりします。
iPhone以外の機種は、どこを触るかも、印の出方も違います。お手元の機種で明るさをどう変えるかを、本番の前に一度試して確かめておいてください。
4.カメラは動かさないほうがきれいに撮れます
手で持って追いかけるより、置いて動かさないほうが見やすい映像になります。合唱や合奏は立ち位置がほとんど変わらないため、そもそも追いかける必要がありません。置いて固定で使うぶんには、難しいことは何もありません。
そのうえで、三脚はあったほうがよいです。画面が揺れなくなるだけでなく、置いたまま離れられるので、本番中に他のことに手が回るようになります。
お持ちでない場合は、まず学校にないかを担当の先生に聞いてみてください。学校にもない場合は、机など動かない台の上に置いても構いません。ただし机の高さでは、前に立った人の頭が入りやすくなります。三脚がなくても、後ろの中央に置くことと、本番中に動かさないことの2つは守れます。
ズームについては、ひとつだけ決まりを作っておくと楽になります。ズームは、録りはじめる前に決めてください。録っている間に動かすと、見ている人が目で追えなくなるからです。どうしても途中で変えたいときは、曲と曲の間に、思っているより遅い速さで動かしてください。学年が替わって人数や並びが変わるときも、その入れ替わりの間に合わせ直してください。
ピントも、ズームと同じで先に決めておくほうが安全です。人が前を横切ると、カメラが自動でピントをそちらに合わせてしまうことがありますので、手で決められるカメラなら、児童生徒に合わせたところで固定してしまってください。
5.取り返しのつかない失敗は「録れていなかった」です

先生と保護者のどちらにとっても、いちばん痛いのは、録れていなかったという失敗です。写真なら1枚撮り逃しても他の写真が残りますが、動画は録れていなければ何も残りません。しかも学校行事は撮り直しができないので、取り返しのつかない失敗はこの1点に集まります。
録れていなかったときの原因は、たいてい次の4つのどれかです。
- 録画を始めたつもりで、始まっていなかった。
- 途中で止まっていた。
- 電池が切れた。
- メモリーカードの空きが足りなくなった。
どれも、本番前と本番中の確認で防げるものばかりです。カードの空きは、本番前に確かめてください。
どのくらい空いていればよいかは、画質の設定で大きく変わります。フルハイビジョンなら1時間でおよそ8ギガバイト(データの量の単位)で、2時間なら16ギガバイトを超えます(キヤノンの表では、8ギガバイトのカードに55分)。ただし同じフルハイビジョンでも、画質を高いほうに設定すると2倍以上要ることがあります。
4K(フルハイビジョンより細かく写す設定)で撮ると、さらに多くなります(ソニーの表では、4Kのある設定で128ギガバイトのカードに2時間30分)。設定によっては、128ギガバイトでも足りません。
数字を当てはめるより確実なのは、カメラの画面に出る残り時間を見ることです。残り時間が、行事の長さより長いことを確かめてください。ぎりぎりだと不安が残りますので、少し余裕のあるカードを使ってください。スマートフォンで撮る場合も、本体の空き容量を同じように見てください。
足りない場合は、前の行事の映像をパソコンに移してから消すか、別のカードを用意してください。画質を下げても録れる時間は延びますが、映像は粗くなります。
電池のほうは、残りを気にしながら撮るより、前の晩に充電しておくほうが確実です。替えの電池を持って行くなら、そちらも一緒に充電しておいてください。スマートフォンのように電池を取り外せない場合は、当日の朝までに充電を済ませておいてください。
古いカメラは、満充電にしても新品のころほど持ちません。十分に充電しても使える時間が短いときは、電池そのものの寿命です(パナソニックの説明)。最後まで持つかどうかは、前もって満充電にして、本番と同じ設定で回してみると分かります。
行事が2時間を超えるようなら、電池ではなくコンセントから電源を取る手もあります。カメラによっては、電源をつないだまま撮り続けられます(パナソニックの説明)。お手元のカメラでできるかどうかは、説明書で確かめてください。つなぐ場合は、コードが通路を横切らないように引いてください。
途中で電池を替えると、そのあいだ録画は止まります。替えるなら、学年の入れ替わりなど、演奏していない時間にしてください。
そして本番が始まったら、確かめに行く手間をもう一度だけかけてください。本番の途中で一度だけ、録画中の表示が出ているかを見に行ってください。これだけで、始まっていなかった場合と途中で止まっていた場合の両方に気づけます。
ここで気をつけていただきたいことがあります。画面に子どもたちが映っていても、それは録れている印にはなりません。電源が入っていれば、録っていなくても画面には映るからです。見るのは、録画中を示す赤い印か、録っている時間のカウントが進んでいるかどうかです。
中二階に上げた場合は、行事の最中に上がって戻れるとはかぎりませんので、見に行くのは休憩の時間にしてください。休憩が入らない行事では、確認できないまま最後まで撮ることになります。
それでも、置き場所は中二階を選んでください。映像がいちばん良くなるのはそこだからです。休憩が入らないと分かっている場合は、録画が始まっていることをその場で確かめてから離れてください。
三田
(収録担当)
本番前に必ず見ているのは、メモリーカードの残り時間と電池の2つです。録音機に入れる使い捨ての電池は、私たちの現場では毎回新しいものに替えています。
「録れていなかった」の原因と防ぎ方
録れていなかったときの原因は、たいてい次の4つのどれかです。
録画を始めたつもりで、始まっていなかった
いつ気づけるか:本番が終わったあと
防ぎ方:本番の途中で一度、録画中の表示を見に行く(中二階なら休憩の時間に)
途中で止まっていた
いつ気づけるか:本番が終わったあと
防ぎ方:本番の途中で一度、録画中の表示を見に行く(中二階なら休憩の時間に)
電池が切れた
いつ気づけるか:切れた瞬間です。気づけないこともあります。
防ぎ方:本番前に充電しておく。長い行事はコンセントから電源を取る
メモリーカードの空きが足りなくなった
いつ気づけるか:止まった瞬間
防ぎ方:残り時間が行事の長さより長いかを確かめる
撮り終えたその日にやっておくこと
撮った映像は、その日のうちにパソコンなど別の場所にもうひとつ保存しておいてください。カードは小さいので、持ち歩いているうちになくすことがありますし、次の行事でうっかり上書きしてしまうこともあります。
学校の記録として撮った場合は、保存した場所を担当の先生の間で共有しておくと、あとで探す手間がなくなります。
6.保護者が客席から撮るとき|周りへの配慮と、揺れを防ぐ工夫
ここからは、客席から撮る保護者に向けた章です。大事になるのは、撮り方より周りへの配慮です。逆に言えば、周りへの配慮さえできていれば、たいていは問題になりません。
まず、学校の決まりを先に確かめてください。撮影そのものを制限している学校もありますし、三脚を立てられる場所を決めている学校もありますので、当日その場で判断せずに、事前に確かめておくほうが安心です。
三脚を立ててよい場合でも、脚の位置には気をつけてください。三脚の脚が通路に出ていないかだけは、必ず見てください。倒れると危ないうえに、避難のときに人が通れなくなります。
そのほかに気をつけたいのは、次のようなことです。
- 前の席で長く立ち続けない。後ろの席の人からステージが見えなくなる。
- カメラの画面の明かりを落とす。暗い体育館では思ったより目立つ。
- 操作の音を切っておく。静かな曲では客席まで届く。
- わが子だけを追いかけない。あとで見返すと、合唱の記録になっていないことがある。
- 撮影の業者が入っている場合は、ご自分が撮る場所が業者のカメラと重ならないようにする。
三脚を持ち込めないときでも、揺れを抑える工夫は席に着いてからできます。前の座席の背もたれに肘を置いて脇を締めて構えると、体を預けるぶんだけ揺れが減ります。前の席に人が座っていて背もたれを使えないときは、脇を締めるところだけでも守ってください。席が選べずに前のほうになった場合も、どこかに体を預けて撮るほうが、何も支えずに構えるよりは落ち着きます。
なお、撮った映像を人に見せるときや、写っている児童生徒への配慮については、この記事とは別に考えることがあります。詳しくは学校行事の撮影を控えてほしい児童生徒がいるときをお読みください。
7.音は、映像とは別に考えます
カメラに付いているマイクは、カメラを置いた場所に届いた音をそのまま拾います。つまり映像のために置き場所を決めると、音の入り方は成り行きで決まってしまいます。映像がきれいに撮れていても、音が聞き取れないと見返してもらえません。
多くの体育館は、板張りの床と、音を吸う造りではない天井や壁に囲まれていて、音がはね返りやすい場所です(音響機器メーカーTOAによる解説)。ステージから遠いところにカメラを置くほど、はね返った音の割合が増えて、声はぼやけていきます。
では、映像に良い場所と音に良い場所のどちらを取るか。カメラが1台なら、置き場所は映像で決めてください。音にとって良いのは合唱のすぐ前あたりですが、そこは客席になっていることが多く、カメラを置ける場所とはかぎらないからです。音まで良くしたいときは、置き場所を動かすのではなく、録るものを分けて解決します。
音を映像と切り離して考える方法としては、カメラとは別にマイクを立てる、あるいは録音機を別に用意する、といったやり方があります。マイクの選び方と置き場所は合唱の録音はマイクの置き場所で決まるにまとめました。この記事では映像の話にしぼりますので、まずはカメラの置き場所と、録れているかの確認を先に片づけてください。
8.先生が学校の記録として撮るとき|自分でできる範囲と、その先
ここからは、学校の記録として撮る先生に向けた章です。学年ごとに数十分を通しで撮り、あとでご家庭に配るところまで考えると、保護者の方が1曲を撮るのとは条件が変わります。増えるのは腕の問題ではなく、時間と手間の問題です。
通しで撮ると、次のようなことが起きやすくなります。
- 電池が最後まで持たない。
- カードの空きが途中でなくなる。
- 長い時間のどこかで録画が止まる。
- 学年の入れ替わりで、次の演奏の出だしを撮り逃す。
通しで撮ると、止まっていたことに気づけるのは終わったあとです。ここで困るのが、中二階にカメラを上げた場合です。前の章でお伝えしたとおり、見に行けるのは休憩の時間だけになります。
学年ごとに録画を止めるかどうかは、メモリーカードの残り時間と、電池がどこまで持つかしだいです。最後まで足りるなら、止めずに回して構いません。止める回数が増えるほど、録画を始め直す場面も増えるからです。
そのうえで、行事の進行表を先に手元に置いてください。休憩がどこに入るかを先に見ておけば、いつ確かめに行くかが本番前に決まります。学年の入れ替わりがどこに入るかも、あわせて確かめておいてください。曲の順番と学年を控えておけば、次の演奏の出だしを撮り逃さずに済みますし、あとで見返して切り分けるときにも探さずに済みます。
ここから先は機材が要ります
ビデオカメラを置いて固定で使うぶんには難しいことはなく、急に難しくなるのは2つだけです。
ひとつはカメラとは別にマイクを立てるとき、もうひとつはビデオカメラを自分で操作しながら撮るときです。どちらも慣れの問題というより機材の問題ですので、無理をして当日にぶっつけで試すより、固定で確実に残すほうが結果は良くなります。
撮ったあとに決めることも残ります。作ったディスクを保護者に配るのであれば著作権の手続きが必要ですので、学校行事のDVDと著作権をご覧ください。顔を写せない児童生徒がいる場合の考え方は、学校行事の撮影を控えてほしい児童生徒がいるときにまとめています。来年は頼もうかと考えられた場合の選び方と費用の目安は学校行事の撮影業者の選び方に、スクールメモリーの金額の考え方は料金プランに載せています。
9.音楽会・発表会の撮影についてよくある質問
音楽会や発表会の撮影についてよく調べられている質問を、7つにまとめました。
中二階に上がれない体育館では、どこから撮ればよいですか?
後ろの中央です。スクールメモリーも、中二階に上がれない体育館では、1階のいちばん後ろの中央に、学校からお借りした足場を立てて、その上から撮っています。三脚で撮る場合は、後ろの中央という位置と、そこで少しでも高く構えることの2つを目安にしてください。
三脚は必要ですか?
あったほうがよいです。画面が揺れなくなりますし、置いたまま離れられるようになります。体育館によっては三脚を立てられる場所が決まっているので、持ち込む前に学校へ確認してください。
お持ちでない場合は、学校の備品にないかを先に当たってみてください。無ければ、動かない台でも代用できます。
体育館では、画面の明るさをどのくらいに合わせればよいですか?
数字で言い切れる正解はありません。体育館で授業や部活動に求められる明るさは300ルクスとされていますが、照明の付け方や窓の位置は体育館ごとに違うからです。
先生は本番と同じ時間帯に体育館で、保護者は席に着いてから、一度撮ってみてください。どちらも、カメラの画面ではなく撮れた映像を見て決めます。
途中で録画が止まっていました。防ぐ方法はありますか?
本番前にメモリーカードの空きを確かめ、電池を充電しておいてください。そのうえで、本番の途中で一度だけ録画中の表示が出ているかを見に行くと、始まっていなかった場合と途中で止まっていた場合の両方に気づけます。
撮影の業者が入っている行事でも、保護者が撮ってよいですか?
まず学校の決まりをご確認ください。学校が認めている場合であれば、ご自分が撮る場所が業者のカメラと重ならなければ問題ありません。
カメラに付いているマイクだけでも録れますか?
録れます。ただしカメラに付いているマイクは、カメラを置いた場所に届いた音を拾うので、映像のために選んだ場所が音にとっても良い場所とはかぎりません。音まで含めて残したい場合は、カメラとは別にマイクを立てる方法があり、選び方と置き場所は合唱の録音はマイクの置き場所で決まるにまとめました。
撮った映像を保護者に配ってもよいですか?
ディスクにして配る場合は著作権の手続きが必要になり、手続きの中身は学校行事のDVDと著作権にまとめました。写っている児童生徒への配慮については学校行事の撮影を控えてほしい児童生徒がいるときをあわせてご覧ください。
10.まとめ|一度撮って、撮れた映像を見てから本番へ
体育館のビデオは、腕ではなく段取りで決まります。本番までにひとつだけやるなら、試し撮りをして、撮れた映像を見てください。できることは立場で変わります。
- 先生は、本番と同じ時間帯に体育館で撮ってみます。あわせて、中二階を使ってよいかを学校に確かめておきます。
- 保護者は、席に着いてから一度撮ってみて、その場で撮れた映像を再生します。
そのうえで、本番までにやっておくことは2つです。カメラを置く場所を決めて、そこから動かさないと決めておくこと。それから、カードの空きを確かめて、電池を充電しておくことです。
本番の途中では、一度だけ録画中の表示を見に行ってください。ここまでが済んでいれば、機材を買い足していなくても、去年の映像より確実に良くなります。
音まで残したいときは、機材を足すしかありません。まずは映像を確実に残すことを先にしてください。
音まで含めてきちんと残したいとき、あるいはご自分で撮ってみて来年は頼もうと思われたときは、無料でお見積もりをお出ししています。
お問い合わせフォームでご記入いただくのは、お名前・メールアドレス・学校名・会場名・本番の日付・ご相談内容の6つです。折り返し、くわしい料金をお送りします。