演奏会や発表会の感動を、形に残して配りたい。そう考えたとき、まず迷うのが「DVDとブルーレイのどちらにするか」「何枚作ればいいか」ではないでしょうか。結論から言うと、配る相手の再生機器がわからないならDVD、手元で長く高画質に残したいならブルーレイが基本の選び方です。
画質や容量の違いから、枚数による作り方の違い、ケースや表紙のデザインまで、順番に見ていきます。読み終えるころには、見積もりを取る前に決めておくべきことがはっきりします。
パブットは演奏会・コンサートの収録を専門に手がけてきた制作会社です。現場で実際にディスクを作ってきた経験をもとに、発注する前に知っておくと安心なことをまとめました。
この記事の要点
- DVDは標準画質、ブルーレイはフルハイビジョン(フルHD)。より多くの再生機器で見られるのはDVD、長く高画質で残すならブルーレイです。
- 1枚に入る時間はDVDが約2時間、ブルーレイが約3時間です。1枚組か2枚組かは、ディスクに入れる長さで決まります。休憩はディスクに入りません。
- ディスクの作り方には「コピー」と「プレス」があり、数十枚ならコピー、数百枚以上ならプレスが向いています(割安になる境目はおよそ300〜500枚で、依頼先によって幅があります)。
- 曲目メニューや頭出しを付ける作業を「オーサリング」と呼びます。パブットでは、曲目のメニュー画面は別料金で追加する項目です。費用は「基本料金+1組あたりの単価×組数」で考えるとわかりやすいです(2枚組はディスク2枚で1組と数えます)。
1. 演奏会のDVD・ブルーレイ制作とは
演奏会のDVD・ブルーレイ制作とは、撮影・録音した演奏会の映像を、家庭のプレーヤーやパソコンで再生できるディスクに仕上げる作業のことです。撮った映像をそのままディスクに入れるのではなく、見やすく整え、配れる形にしてお届けします。
ディスクにして残す理由は大きく二つあります。一つは「配りやすさ」です。出演者やご家族、関係者にそのまま手渡せます。もう一つは「保存性」です。形のあるディスクは、棚に並べて長く保管できます。音だけを残したい場合は、『演奏会のCDを作るには?録音から完成・配布までの流れと頼み方』もご覧ください。
なお、記録の残し方はディスクだけではありません。映像データをそのまま受け取る方法や、インターネットで配信する方法もあります(配信は『演奏会・コンサートのライブ配信 ― 無料と有料、配信サービスの選び方』で説明しています)。最近は再生機をお持ちでないご家庭も増えているため、データで受け取る選び方も検討する値打ちがあります。この記事は「ディスクにして残す」場合にしぼって説明します。
2. DVDとブルーレイは何が違う?
DVDとブルーレイのいちばんの違いは、画質と容量です。DVDは標準画質、ブルーレイはフルハイビジョン(フルHD)で、映像のきめ細かさが大きく異なります。ここでは4つの観点で違いを整理します。


画質のちがい
DVDの画質は標準画質で、画面の細かさは横720×縦480の点で作られています。ブルーレイはフルHDで、横1920×縦1080と、点の数がぐっと多くなります。そのぶん、文字や顔、楽器の細部までくっきり映ります。
注意したいのは、たとえ高画質のカメラで撮影しても、DVDにする時点で標準画質まで画質を落とす必要があるという点です。これはDVDという規格が、もともと標準画質までしか記録できないためです。高画質のまま残したい場合はブルーレイを選びます。
容量と入る時間のちがい
DVDは1枚におよそ4.7ギガバイト、時間にして約2時間ぶんの映像が入ります。ブルーレイは1枚に約25ギガバイトと容量が大きく、画質の設定にもよりますが約3時間ぶんが目安です。長い演奏会ではこの差が効いてきます。
再生できる機器のちがい
再生できる機器には、一方通行の関係があります。DVDはDVDプレーヤーでもブルーレイプレーヤーでも再生できます。一方、ブルーレイはブルーレイ対応の機器でしか再生できません。古いDVDプレーヤーでは、ブルーレイは映らないということです。
つまり、より多くの家で再生できるのはDVDです。配る相手の再生環境がわからないときは、この点が選び方の決め手になります。
結局どちらを選べばいい?
判断の軸はとても単純です。配る相手が多く、再生機器がばらばらだと思われるならDVD。手元で長く、できるだけきれいな画質で残したいならブルーレイです。両方を作って「配布用はDVD・保存用はブルーレイ」と使い分ける方もいます。
3. 1枚に入る時間と「二層ディスク・2枚組」の考え方
1枚のディスクに入る時間には上限があり、目安はDVDが約2時間、ブルーレイが約3時間です(画質の設定で前後します)。1枚に収まるかどうかは、ディスクに入れる映像の長さで決まります。
休憩はディスクに入りません。また、司会、曲と曲の間の準備の時間、拍手などを編集で整理すると、ディスクに入れる長さは本番より短くなることがあります。そのため、本番が2時間を少し超える演奏会でも、DVD1枚に収まる場合があります。
パブットの自動見積もりでも、1枚組か2枚組かは「ディスクに入れる長さの目安」で決めます。DVDを作るなら「2時間以内」か「2時間を超える」か、ブルーレイを作るなら「3時間以内」か「3時間を超える」かを選んでいただきます。目安と実際の長さが違ったときは、編集した映像の長さが決まった段階でご相談します。
1枚に入りきらないときや、第一部と第二部を分けたいときは、2枚組にします。パブットでも、入りきらないときは基本的に2枚組で作ります。2枚組は、1枚組より1組あたりの費用が上がります。ただし、DVDで2枚組になる長さでも、約3時間までならブルーレイ1枚に収まるので、パブットではブルーレイもご案内しています。
ほかに、容量を増やす方法として「二層ディスク」もあります。ディスクの中に記録する層を2つ重ねたもので、DVDの二層なら容量が約8.5ギガバイトに増え、標準画質で約3時間半ぶんまで入ります。ブルーレイにも二層(約50ギガバイト)があります。ただし二層のディスクは、ごく一部の古い再生機器では読み取れないことがあります。パブットでも、ご希望があればDVDを二層ディスクで作ります。
4. 必要な枚数で変わる作り方 ―「コピー」と「プレス」
ディスクの作り方には「コピー」と「プレス」の2種類があり、必要な枚数で使い分けます。数十枚ならコピー、数百枚以上ならプレスが向いています。

「コピー」は、市販のディスクに1枚ずつデータを書き込む方法です。少ない枚数を短い納期で用意するのに向いていて、1枚から作れます。
「プレス」は、金属の型を作り、工場でディスクを大量生産する方法です。枚数が増えるほど1枚あたりが安くなり、工場で型から作るぶん、いろいろなプレーヤーで安定して再生しやすい利点もあります。ただし、割安になる枚数の目安は、おおよそ300〜500枚以上です(依頼先によって幅があります)。大きな公演で、たくさんのディスクを販売・配布するときに向いた作り方です。
パブットでは、ディスクを基本的にコピーで作り、ご希望があればプレスにも対応します。最初は少なめに作り、足りなければあとから追加で複製することもできます(元になるデータの保管期間内)。配る人数が読めないときも、まず必要な分だけ作れるので安心です。
5. メニューと頭出し ―「オーサリング」とは
オーサリングとは、ディスクを入れたときに出る曲目のメニュー画面や、曲ごとの頭出しを作る作業のことです。撮った映像を、プレーヤーで操作できるディスクの形に整える仕上げの工程です。
メニュー画面には曲目が並び、見たい曲を選ぶと、その曲の頭から再生が始まります。この頭出しの区切りを「チャプター」と呼びます。たとえば全10曲の演奏会で曲ごとにチャプターを区切っておくと、お子さんの出番だけを何度も見返したいときにも、すぐに探せます。
パブットでは、曲目のメニュー画面は別料金で追加する項目で、基本料金には含まれません。メニュー画面を付けない場合は、ディスクを入れて再生すると、そのまま本編が始まります。曲ごとの頭出しは、メニュー画面を付けない場合も付けています。メニュー画面を付けるかどうかは、見積もりのときに選んでください。
このほかに別料金で追加できる仕上げとして、本編の前に流れる1分程度のオープニング映像と、本編のあとに出演者の名前を流すエンドロールがあります。どれも、付けたいものだけを選べます。
6. パッケージとデザイン(ケース・表紙・盤面)
ディスクはケースに入れ、表紙や盤面にデザインを施して仕上げます。中身が同じでも、見た目を整えると記念品としての価値がぐっと上がります。
ケースには、市販の映像ソフトでよく見る背の高い「トールケース」と、かさばらない「薄型ケース」があります。パブットでは、パッケージありはトールケース、パッケージなし(盤面への印字だけ)は薄型のケースでお届けします。ディスクの盤面には、演奏会名や日付などを印字できます。
表紙(ジャケット)のデザインには、いくつかの選び方があります。あらかじめ用意されたデザインのひな型から選ぶ方法、演奏会のプログラムやチラシと同じデザインでそろえる方法、そして1から専用に作るオリジナルデザインです。プログラムとデザインをそろえると、当日の雰囲気がそのまま記念品に残ります。
7. 費用の考え方と納期
演奏会のディスクの費用は、「基本料金+ディスク1組あたりの単価×組数」という2つの部分に分けて考えるとわかりやすいです(このほかに、選んだ追加の項目・出張費・延長料金がかかることがあります)。パブットの場合、基本料金は映像のプランの料金で、撮影から編集、元になるディスク(マスター)を作るところまでが入ります。映像の料金は、プランや追加の項目によって十数万円台から数十万円台です。
基本料金には、選んだ追加の項目の料金が加わります。曲目のメニュー画面やオープニング映像は、この追加の項目にあたります。DVDとブルーレイの両方を作るときも、2種類目の仕上げのぶんが加わります。このほかに、会場までの出張費がかかり、休憩を除いた本番が2時間30分を超えるときは延長料金も加わります。
パブットのディスクの単価は「組」ごとに決まっています。1枚組なら1枚、2枚組なら2枚で1組と数え、この単価に組数を掛けます。単価は2枚組のほうが1枚組より高く、ブルーレイのほうがDVDよりやや高くなります。ただし、DVDでは2枚組になる長さなら、DVDの2枚組よりブルーレイの1枚組のほうが安くなります(約3時間まで)。
ディスクまわりの費用は、おもに「組数」「DVDとブルーレイのどちらにするか(または両方)」「パッケージのデザインをどこまで凝るか」の3つで変わります。くわしい金額の目安は自動見積もりでご確認ください。見積書のどこを見ればよいかは、『演奏会撮影の料金・相場と見積書の読み方 ― 相場と見積書を見比べるコツ』で説明しています。
パブットでは、編集した映像を、まず内容を確かめていただくための確認用としてお渡しします。時期は本番からおよそ1か月半後で、9〜12月の本番はおよそ2か月後です。内容と組数が決まってから、14営業日以内にディスクを発送します。
配りたい時期が決まっている場合は、見積もりのときに「いつまでに必要か」をお知らせください。納期の考え方は、『演奏会撮影の契約条件|キャンセル・納期・追加料金の見方』でも説明しています。
枚数や仕様が決まったら、そのまま見積もりへ
8. パブットのディスク制作 ―収録専門の現場から
パブットは、演奏会・コンサートの収録を専門にしてきた制作会社です。撮影から映像の編集、メニューの作成、複製、パッケージのデザインまで、ディスクが手元に届くまでの工程を一貫して手がけています。
映像のプランでは、ふだんは会場に備え付けの、天井からつるすマイク(吊りマイク)で録った音をそのまま使います。ご希望があれば、「高音質録音」(別料金)も付けられます。高音質録音では、録音担当が別に1名つき、専用の機材で演奏を録って音を整えてから、映像に合わせます。映像の音質を大事にしたい方や、DVD・ブルーレイのほかにCDも作りたい方におすすめしています。
録音の考え方は、『演奏会の録音方法とは?プロのマイクの置き方とハイレゾ仕上げの裏側』でくわしく説明しています。
「2時間を超える演奏会をどう1枚にまとめるか」「配布用と保存用で分けたい」といったご相談にも、現場の経験からお応えします。
よくある質問(FAQ)
演奏会のDVDとブルーレイ、どちらを選べばいいですか?
配る相手が多く、再生する機器がわからないならDVDがおすすめです。DVDはDVDプレーヤーでもブルーレイプレーヤーでも再生できるため、より多くの相手に届けられます。再生機を持っていない家庭もあるので、配る相手の環境は確かめておくと安心です。一方、手元で長く、できるだけきれいな画質で残したいならブルーレイが向いています。配布用にDVD、保存用にブルーレイと、両方を作る方もいます。
2時間を超える演奏会はどうなりますか?
DVD1枚に入るのは約2時間が目安で、1枚に収まるかどうかは、ディスクに入れる長さで決まります。休憩はディスクに入りません。また、司会や曲と曲の間を編集で整理すると、本番が2時間を少し超えても1枚に収まることがあります。入りきらないときは、第一部・第二部で2枚組にするか、1枚に約3時間まで入るブルーレイにします。ご希望があれば、DVDの二層ディスクでも作れます。
何枚から注文できますか?
パブットでは、ディスクは1枚から作れます。1枚ずつ書き込む「コピー」で作るため、必要な数だけ用意できます。数百枚以上を販売・配布する大きな公演では、工場で量産する「プレス」が向いていて、ご希望があればパブットはプレスにも対応します。
自分でDVDを焼くのと、業者に頼むのは何が違いますか?
ディスクに書き込む作業そのものは、ご自分でもできます。業者に頼むと、撮影から編集、ディスクの仕上げまでをまとめて任せられます。パブットでは2台以上のカメラで演奏者と全体を撮り分け、編集で1本の映像にまとめます。そのうえでディスクへの印字やケースまで整え、配れる形でお届けします。曲目のメニュー画面や表紙のデザインも、選んで付けられます。
ディスクをあとから追加で増やせますか?
元になるデータ(マスター)を保管していれば、あとから追加で複製できる場合が多いです。ただし、保管の期間には制限があることが一般的です。「あとで増やすかもしれない」場合は、最初の見積もりの段階でマスターの保管期間を確認しておくと安心です。
完成までどのくらいかかりますか?
パブットでは、確認用の映像を本番からおよそ1か月半後にお渡しします(9〜12月の本番は、およそ2か月後です)。内容を確かめていただき、組数が決まってから、14営業日以内にディスクを発送します。配りたい時期が決まっている場合は、見積もりのときにお知らせください。
まとめ
演奏会のディスク制作は、いくつかの点を押さえれば難しくありません。まず、より多くの再生機器で見られるDVDか、高画質で残せるブルーレイかを決めます。次に、ディスクに入れる長さから、1枚に収まるか、2枚組やブルーレイにするかを考えます。
ディスクの作り方は、数百枚以上ならプレス、それより少なければコピーが向いています。パブットは基本的にコピーで作り、ご希望があればプレスにも対応します。ディスクは1枚からご注文いただけます。曲目のメニュー画面や表紙のデザインは、必要なものを選んで付けます。費用は「基本料金+1組あたりの単価×組数」で考えるとわかりやすいです。確認用の映像は本番からおよそ1か月半後(9〜12月の本番はおよそ2か月後)が目安なので、配りたい時期があるときは早めにご相談ください。
パブットは収録を専門に、録音にも力を入れたディスク制作を行っています。
見積もりは無料です。いくつかの質問に答えるだけで、その場で概算がわかります




