合唱の演奏会を映像と音で残したいと考えたとき、「あの日の歌声が、ちゃんとそのまま残るか」を気にされる方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、家庭用のビデオカメラを客席に置いて撮っただけでは、歌い手は小さく映り、声も遠くこもりがちです。複数のカメラで歌い手の表情を撮り分け、声をホールの響きごと録ると、合唱ならではの一体感をそのまま残せます。
この記事では、合唱ならではの撮り方、カメラの台数、声をきれいに録るコツ、コンクールとの扱いの違い、発注の前に確認することを、順にお伝えします。この記事を書いているのは、演奏会の収録を専門にしているパブットです。合唱団やコーラスサークルの演奏会から声楽のリサイタルまで、数多くの本番の撮影・録音・写真を、一つの窓口でお引き受けしてきました。
この記事の要点
- 大人数の合唱を一台のカメラで撮ると、一人ひとりが小さく映りがちです。複数のカメラで、全体の隊形と歌い手の表情を撮り分けるのが基本です。指揮者の表情は、指揮者用のカメラを足すと残せます。
- 合唱は声が主役です。客席に置いたビデオカメラに付いているマイクだと声が遠くこもりがちなので、ホールの天井から吊るしたマイクなどで、響きごと声を録ると、仕上がりが大きく変わります。
- カメラの台数は、人数や演出、ソロがあるかどうか、会場の広さで決めます。ソロを狙って撮りたいときは、楽譜をもとにカメラマンへ指示を出す担当(スコアディレクター)を付けます。
- 定期演奏会は基本的に撮影できますが、合唱コンクールは主催者や会場の取り決めで、客席からの撮影が禁止されていることがほとんどです。撮影は指定された業者だけに認められるのが一般的で、映像は後日その業者から手に入ることもあります。扱いが違うので、分けて考えましょう。
- 声楽のリサイタルや少人数のコーラスなら、二台でも、声と表情、ピアノとの一体感をていねいに残せます。
- 費用は、写真や録音だけなら数万円台から、映像は十数万円台から数十万円台までと幅があります。目安は、自動見積もりで確かめられます。
1. 合唱の演奏会収録とは
合唱の演奏会収録とは、本番の歌声と歌い手の姿を、撮影・録音・写真で記録することです。多くは、合唱団やコーラスサークルが開く定期演奏会や、いくつかの団体が集まる合唱祭、声楽のリサイタル(独唱会)の記録を指します。撮った映像は、ディスクにしたり、データで受け取ったり、配信したりと、目的に合わせて形にできます。
合唱の収録には、オーケストラや吹奏楽とは違う特徴があります。大人数が段になった台(ひな壇)に横に広がって並び、声を合わせて音楽を作ります。指揮者は客席に背を向けて立ち、伴奏のピアノやソリストが加わることもあります。
なお、学校の音楽会や校内の合唱コンクールの撮影は、学校行事を専門にするスクールメモリーでお引き受けしています。この記事では、一般の合唱団や声楽の演奏会の収録を中心にお話しします。同じ合唱でもコンクールは定期演奏会と扱いが大きく違うので、後半で分けて説明します。
2. なぜ一台のカメラでは物足りないのか ― 歌い手の表情を撮り分ける
一台のカメラを客席に固定して撮ると、ステージ全体を広く映した映像しか残りません。大人数の合唱では一人ひとりが小さく映るため、せっかくの表情や口元も、ソロの見せ場も見分けにくくなります。
そこで、複数のカメラを同時に使う「マルチカメラ撮影」で撮ります。たとえば、全体の隊形を広く映すカメラ、歌い手の表情を大きく映すカメラ、ソリストや伴奏のピアノを映すカメラ、というようにカメラごとに役割を分けます。台数によって映像がどう変わるかは、演奏会のマルチカメラ撮影|カメラの台数で変わる映像と選び方でくわしく紹介しています。
もう一つ、合唱ならではの難しさに、指揮者の向きがあります。指揮者は客席に背を向けて立つので、客席側のカメラには背中しか映りません。指揮者の表情も残したい場合は、舞台の側でじゃまにならない位置に小さなカメラを置き、指揮者の正面を狙います。
本番のあとは、編集で場面ごとに、いちばん良いカメラの映像に切り替えながら一本にまとめます。こうして、団の節目や引退、卒業の記念に、歌い手一人ひとりの姿を残せます。
実際にどんな映像に仕上がるかは、収録サンプルでご覧いただけます。
3. カメラは何台必要? ― 台数の考え方
カメラの台数は、「人数」「演出やソロがあるか」「会場の広さ」で決めます。人数が多い演奏会ほど、台数を増やすと撮り分けが細かくなります。まずは何のための映像かをはっきりさせておくと、必要な台数が見えてきます。



おおまかな目安として、二台なら、ステージ全体と歌い手の表情を押さえられるので、配るための記録としては形になります。三台にすると、全体と歌い手の表情に加えて、指揮者を正面から撮るカメラか、歌い手を別の角度から撮るカメラのどちらかを足せます。
ソロや独唱、重唱が多い演奏会では、楽譜をもとにカメラマンへ指示を出す担当(スコアディレクター)を付けると、ソロの見せ場を狙って撮れます。スコアディレクターは有料のオプションで、カメラ三台・カメラマン二名の「スタンダード」以上のプランで付けられます。一方、声楽のリサイタルのように人数が少ない演奏会なら、二台でも、表情やピアノとの一体感をていねいに残せます。
費用は、台数や演出の規模、録音の仕様によって変わります。台数ごとの目安や料金の考え方は合唱収録の料金案内にまとめているので、見積もりの前に、だいたいの費用をつかんでいただけます。ご自分の編成と台数を入れると、自動見積もりで、より正確な金額を確かめられます。
4. 合唱の演奏会ならではの撮影ポイント
合唱の演奏会には、オーケストラや吹奏楽とは違う撮りどころがあります。吹奏楽の撮りどころは吹奏楽の定期演奏会の撮影 ― 部員一人ひとりを残す収録のコツで紹介しているので、ここでは、合唱で押さえておきたい点を整理します。

まず、全体の隊形です。ひな壇に並んだ合唱団は、上の段まできれいに見える高い位置から広く撮ると、並びの美しさが伝わります。望遠のカメラで段ごとに寄れば、一人ひとりの表情も残せます。
次に、口元と表情です。合唱は声で気持ちを伝える音楽なので、歌っているときの自然な表情や、息を合わせる瞬間が見どころになります。こうした場面を撮るときも、撮影の音や光で演奏のじゃまをしないよう配慮します。
撮影の際は、本番の前に、ソリストや伴奏のピアノが登場する位置を確かめておきます。ソロを狙って撮るには、3章でお伝えしたスコアディレクターを付けます。スポットライトが当たる場面では、明るさの変化にも合わせて撮ります。
声楽のリサイタルや少人数のコーラスでは、歌い手の表情や口元と、ピアノとの一体感が主役になります。歌い手を斜め前から大きく映しながら、ピアノの手元も入れると、歌とピアノで作る音楽の呼吸が伝わります。声楽のリサイタルの料金やサンプルは、ソロ・室内楽の料金案内でもご覧いただけます。
5. 歌声をきれいに録る ― 合唱は「声」が主役
合唱は声で作る音楽なので、収録では、音の録り方で仕上がりにいちばん大きな差が出ます。映像が同じでも、声がこもっているか、ホールの響きと一緒にきれいに録れているかで、聞こえ方がまったく違ってきます。録音の考え方は、演奏会の録音方法でくわしく解説しています。
客席に置いたビデオカメラに付いているマイクは、合唱団から遠いので、声がこもったり、客席の咳や物音を拾ったりしがちです。家庭用のビデオカメラで撮ると声が遠く聞こえるのは、このためです。
合唱では、一人ひとりの声がホールの中で溶け合って、一つの響きになります。そのため、ホールの天井から吊るしたマイクで、その響きを含めて録るのが基本です。響きごと録ると、その場で聴いた一体感をそのまま残せます。
大人数の合唱なら、天井から吊るすマイク(三点吊りマイク)で、全体の響きをまとめて録るのが向いています。一方、独唱や少人数の重唱では、歌い手に少し近づけたマイクも合わせて使うと、声の表情まで細かく録れます。このように編成に合わせて録り方を変えると、声をきれいに残せます。
パブットの映像の撮影では、ふだんは会場に備え付けの、天井から吊るしたマイクの音を使います。録音の担当が付いて、専用の機材で録る高音質録音は、別料金のオプションです。高音質録音を付けた場合は、録った音を整えてから映像に合わせます。
パブットは撮影・録音・写真を一つの窓口でお引き受けしているので、撮影と録音を別々に頼む必要はありません。録音まで含めた費用も、はじめから一式の見積もりでお出しします。録った音をCDにする流れは、演奏会のCDを作るには?録音から完成・配布までの流れと頼み方で紹介しています。
6. 定期演奏会と合唱コンクールは扱いが違う
同じ合唱でも、定期演奏会とコンクールでは、撮影できるかどうかが大きく違います。先に分けて考えておくと、当日になって慌てずに済みます。
定期演奏会は、合唱団や団体が自分たちで開く演奏会です。基本的に撮影できますが、会場に独自の決まりがある場合もあるので、念のため会場に確かめておくと安心です。
ここでいう合唱コンクールは、合唱団が出場する大会のことです。校内の合唱コンクールは、1章でもお伝えしたとおり、学校行事を専門にするスクールメモリーで撮影をお引き受けしています。
一方、合唱団が出場する大会では、主催者や会場の取り決めで、客席からの撮影・録音が禁止されていることがほとんどです。撮影や録音は、主催者が指定した業者だけに認められるのが一般的で、出演した団体には、後日その業者の録音や映像が渡されることもあります。理由には、演奏や審査の妨げを避けること、出演するほかの団体への配慮、出演者の肖像権や楽曲の著作権などがあります。
禁止の範囲は大会や会場によって違うので、コンクールの本番の記録がほしい場合は、まず大会の要項で撮影・録音の決まりを確かめましょう。そのうえで、主催者や会場の事務局に、指定業者がいるかどうかや、映像を手に入れる方法を問い合わせてください。
なお、予選などに提出する審査用の動画や録音は、本番の客席からの撮影とは別に、パブットでもご相談いただけます。くわしくは、コンクール審査用の演奏動画・録音 ― 失格を避け、音で差をつけるで紹介しています。
7. 発注の前に確認すること
合唱の収録を頼む前に、確かめておきたいことが四つあります。
一つめは、著作権です。演奏する曲を映像に入れてディスクにしたり配信したりするときは、著作権の手続きが必要になることがあります。特に、編曲された曲や、作曲家に依頼した新しい曲(委嘱作品)は、個別に確かめる必要があります。
手続きには、別に費用がかかることがあります。曲の著作権の手続きは、お客様にお願いしています(学校に関わる演奏会は、見積もりのときにご相談いただけます)。
二つめは、配る枚数です。団員や関係者に配るなら、何枚要るかの見当をつけておいてください。ディスクは一枚から作れるので、必要な数だけ用意できます。あとから販売したくなった場合は、出演者や伴奏者の了承が別に必要になることもあるので、早めに決めておくと安心です。
いくつかの団体が集まる合唱祭や合同の演奏会でも、DVD・ブルーレイは全員に同じ内容で作ります。動画データで受け取る場合は、団体ごとに分けてお渡しできます。DVDとブルーレイの違いや枚数の決め方は、演奏会のDVD・ブルーレイ制作 ― 違い・枚数・パッケージの選び方にまとめています。
三つめは、当日の段取りです。当日までに、次の三つをしておくと安心です。
- 撮影のやりとりをする窓口の担当者を、一名決めておく(少人数の場合は、ご本人で構いません)。
- カメラやマイクを置く席を、あらかじめ確保しておく。
- 写真撮影も頼む場合は、本番前の通し練習(ゲネプロ)を撮ってよいかを決めておく。
最後は、納期です。確認用の映像は、本番から約1か月半(9〜12月の本番は約2か月)を目安にお渡しします。そのあとディスクの複製と発送に進むので、配りたい時期が決まっている場合は、見積もりのときにお知らせください。
当日の段取りが決まったら、そのまま見積もりへ
8. パブットの合唱収録 ― 収録専門の現場から
パブットは、演奏会やコンサートの収録を専門にしてきた制作会社です。これまでに200以上のホール・サロンで、撮影と録音を重ねてきました。撮影から映像の編集、録音、写真、ディスク制作や配信まで、本番を記録するための工程を、一つの窓口で一貫して手がけています。
合唱の収録では、複数のカメラで全体の隊形と歌い手の表情を撮り分け、いちばん大事な歌声を、ホールの響きごときれいに録ります。指揮者の表情を残したいときは指揮者用のカメラを足し、ソリストや伴奏のピアノの見せ場を狙うときはスコアディレクターを付けます。
合唱団やコーラスサークルから声楽のリサイタルまで、規模を問わず収録してきました。ご予算に合わせて、台数や仕様を一緒に考えます。実際の収録映像のサンプルや、ご依頼いただいた団体の声は、収録サンプルとお客様の声でご覧いただけます。
よくある質問(FAQ)
客席で撮ると、声が遠くなりませんか?
ビデオカメラに付いているマイクだけで録ると、合唱団から遠いので、声がこもったり、客席の物音を拾ったりしがちです。パブットの撮影では、ふだんは会場に備え付けの、天井から吊るしたマイクの音を使い、ホールの響きを含めて録ります。録音の担当が付く高音質録音(別料金のオプション)を付ければ、専用の機材で、声をよりきれいに録れます。
カメラは何台がいいですか?
多くの合唱の演奏会では、三台以上あると安心です。三台なら、全体と歌い手の表情に加えて、指揮者の表情を撮る指揮者用のカメラか、歌い手を別の角度から撮るカメラを足せます。ソロや独唱、重唱を狙って撮るには、楽譜をもとにカメラマンへ指示を出す担当(スコアディレクター)を付けます。声楽のリサイタルのように少人数なら、二台でもていねいに残せます。
指揮者やソリストの表情も映せますか?
はい。指揮者は客席に背を向けて立つので、表情を残したい場合は、舞台の側でじゃまにならない位置にカメラを置き、指揮者の正面を狙います。ソリストや独唱の歌い手を狙って大きく映すには、楽譜をもとにカメラマンへ指示を出す担当(スコアディレクター)を付けます。
合唱コンクールも撮ってもらえますか?
合唱コンクールは、主催者や会場の取り決めで、客席からの撮影・録音が禁止されていることがほとんどです。撮影は、主催者が指定した業者だけに認められるのが一般的で、本番の映像は、その業者から後日手に入ることもあります。定期演奏会は基本的に撮影できますが、コンクールは禁止の範囲が大会や会場で違うので、必ず主催者や会場にご確認ください。なお、予選などに提出する審査用の動画や録音は、パブットでもご相談いただけます。
編曲した曲や新しい曲でDVDを作るのに、著作権は大丈夫ですか?
演奏する曲を映像に入れて配ったり配信したりするときは、著作権の手続きが必要になることがあります。特に、編曲された曲や、作曲家に依頼した新しい曲(委嘱作品)は、個別に確かめる必要があります。曲の著作権の手続きは、お客様にお願いしています(学校に関わる演奏会は、見積もりのときにご相談いただけます)。
DVDは団員みんなに配れますか?何枚から作れますか?
ディスクは一枚から作れるので、団員や関係者に配るぶんなど、必要な枚数だけ用意できます。あとから販売したい場合は、出演者や伴奏者の了承が別に必要になることもあります。
声楽のリサイタルや、少人数のコーラスもお願いできますか?
はい。独唱や重唱のリサイタルでは、歌い手の表情や口元と、ピアノとの一体感が主役になります。歌い手を大きく映しながらピアノの手元も入れて、歌とピアノで作る音楽の呼吸を残します。少人数の演奏でも、声をていねいに、きれいに録ります。
まとめ
合唱の演奏会収録は、いくつかの点を押さえておけば迷いません。大人数の合唱は一台のカメラだと一人ひとりが小さく映りがちなので、複数のカメラで全体の隊形と歌い手の表情を撮り分けるのが基本です。指揮者の表情は、指揮者用のカメラを足すと残せます。台数は、人数や演出、ソロがあるかどうか、会場の広さで決めます。
合唱でいちばん大事な歌声は、客席に置いたビデオカメラに付いているマイクだと、遠くこもって聞こえがちです。ホールの天井から吊るしたマイクなどで響きごと録ると、仕上がりが大きく変わります。映像と録音は一つの窓口にまとめて頼めるので、高音質録音を付ければ、音まで整えた一本に仕上がります。
合唱コンクールは、主催者や会場の取り決めで撮影が禁止されていることがほとんどなので、定期演奏会とは分けて考えましょう。編曲した曲や委嘱作品の著作権、配る枚数、当日の段取りも、早めに確かめておくと安心です。
パブットは収録を専門に、合唱の撮影から録音、ディスク制作までを一貫して手がけています。
見積もりは無料です。いくつかの質問に答えるだけで、その場で概算がわかります




